2025年度 早稲田大学 基幹・創造・先進理工学部 英語|共通問題の解答解説
2025年度 早稲田大学 基幹・創造・先進理工学部 英語|共通問題の解答解説
ゲーム理論、素数、地質学、学習心理、論理的誤謬、練習のべき乗則、語彙を、大学公表の正答と照合して解説します。
一次資料、公式正答、著作権の扱い
早稲田大学の2025年度基幹・創造・先進理工学部試験ページ、同ページの一般選抜英語問題PDF、早稲田大学理工学術院の英語解答公表ページを基準にしました。大学公式ページは、英語問題を2025年8月22日更新、マーク解答を2025年3月4日更新と表示しています。
英語は全5大問・53問で、大学が公表した解答はすべて記号式です。本記事ではその記号列を「公式正答」と明記し、大問の読み方、和訳、構文、時間配分は日本英語塾の独自解説として区別します。問題長文、設問、選択肢は転載しません。本文を確認しながら学習する場合は、上記公式PDFまたは正規の問題冊子を手元に用意してください。
早稲田大学の過去問題ページは、公開問題を二次利用する場合に閲覧者自身で著作権許諾処理が必要だと案内しています。そこで本記事は、テーマと設問機能の要約、公式の記号正答、独自に作った例文と和訳を中心に構成しています。第三者著作物を含む英文の連続転載や、本文を再現できるほど長い引用は行いません。
試験の全体像と90分の処理順
2025年度の外国語は120点で、英語は90分です。大問ごとの大学公式配点は公表資料から確認できないため、以下の時間は得点配分ではなく、53問を最後まで処理するための独自目安です。
| 大問 | 題材・形式 | 問数 | 独自目安 |
|---|---|---|---|
| Part I | 人間の協力関係、ゲーム理論、複数英文の総合読解 | 15 | 27分 |
| Part II | 素数とアルゴリズム、語句整序 | 5 | 9分 |
| Part III | A 海の化石と山/B 思考パターンと学習、空所・文段落整序 | 8 | 16分 |
| Part IV | A 論理的誤謬/B 練習のべき乗則、短文・数式読解 | 10 | 18分 |
| Part V | 定義と二つの用例を満たす共通語彙 | 15 | 14分 |
| 見直し | マークずれ、NOT条件、保留問題 | ― | 6分 |
Part Iから順に解くと、抽象度の高い長文に時間を吸われやすくなります。最初の2分で全体を確認し、Part V、II、III Aのように形式が明確な問題を先に取る方法も有効です。どの順序を採る場合も、開始30分で15問以上、60分で35問以上にマークがある状態を中間目標にします。わからない問題を空欄のままにせず仮マークし、問題番号に丸を付けて最後に戻ります。
見直しは英文の再読ではなく、作業ミスの検査に限定します。Part IIは語群の未使用語、Part III Bは指示語の参照先、Part IVは定義と具体例の対応、Part Vは二つの用例の両方に同じ語が入るかを確認します。難しいPart Iを最後に一から読み直すより、形式ごとの失点原因を順番に点検する方が6分を生かせます。
大学公表の公式正答一覧
Part I:1 c / 2 b / 3 a / 4 a / 5 d / 6 d / 7 c / 8 a / 9 a / 10 b / 11 b / 12 a / 13 b / 14 c / 15 c
Part II:1 b / 2 a / 3 c / 4 d / 5 b
Part III Section A:1 c / 2 a / 3 d / 4 c / 5 b / 6 a
Section B:7 c / 8 c
Part IV Section A:1 b / 2 b / 3 a / 4 d / 5 d
Section B:6 c / 7 c / 8 a / 9 d / 10 b
Part V:1 d / 2 a / 3 b / 4 c / 5 a / 6 c / 7 b / 8 d / 9 d / 10 a / 11 b / 12 c / 13 b / 14 a / 15 d
採点するときは、正答数だけで終えません。「本文のどの対立・因果・定義を見落としたか」「選択肢のどの語が本文より強すぎたか」「語順をどの文法単位に分けられなかったか」を一問一行で記録します。公式正答は結果を確定する資料であり、次に同型問題を解く手順は誤答記録から作ります。
Part I:協力関係は理論ごとの予測を分ける
Part Iは、人間社会で協力が成立する仕組みをゲーム理論から考える複数英文です。読解の中心は専門用語の暗記ではなく、「個人が短期的利益を選ぶ場合」「相手と再び会う場合」「評判が第三者へ伝わる場合」「集団規範が働く場合」に、協力の予測がどう変わるかを整理することです。同じcooperationという語が出ても、各理論の前提条件が違います。
三つの英文を読むときは、余白に「前提」「行動」「結果」の三列を作ります。例えば、一回限りの匿名的な相互作用では裏切りの誘因が強い、反復される相互作用では将来の報復を避けるため協力が安定し得る、直接会わなくても評判が共有されれば協力的な人が選ばれ得る、というように因果を短くします。人物名や理論名だけを丸で囲んでも、内容一致の比較には使えません。
選択肢を切る基準は三つあります。第一に、本文が「起こり得る」と述べた内容を「必ず起こる」へ強めていないか。第二に、個人選択の説明と集団選択の説明を入れ替えていないか。第三に、実験で観察された結果と、その結果を説明する仮説を同一視していないかです。専門語の定義問題でも、前後の具体例へ戻って必要条件を照合すると、近い語感だけの誤答を外せます。
Part II:素数とアルゴリズムの整序は骨格から決める
Part IIは、素数や因数分解を扱う短い英文内の5か所を整序する問題です。数学用語に気を取られますが、採点対象は英文の語順です。まず動詞を探し、主語、目的語、補語を決めてから、関係詞節、比較、受動態、不定詞などのかたまりを置きます。日本語の意味を先に完成させて単語を一語ずつ並べると、前置詞や助動詞が余りやすくなります。
アルゴリズムの説明では、手順の順序を示すfirst、then、until、thereforeと、条件を示すif、when、as long asが重要です。因数分解の対象、試し割りを続ける条件、素数と判断する条件を混ぜないよう、各空所の前後で「何を入力し、何を操作し、いつ停止するか」を確認します。数式を英語へ置き換えるときも、数量表現の中心名詞に動詞を一致させます。
演習では、正解の並びを暗記するのではなく、語群をスラッシュで文法単位へ分けます。例えばcan be divided / by no integer / other than one and itselfのように、受動態、前置詞句、例外指定を別々に見ます。次に一つのかたまりを隠し、残りから欠けた機能を言えるか確認します。この復元練習が別年度の整序にも移ります。
Part III:地質学の因果と段落整序の接続標識
Section A:海由来の化石が山で見つかる理由
海洋生物の化石が高地で発見される現象は、「昔の海面が山頂まで高かった」という一段の説明では足りません。堆積時には海底だった地層が、プレート運動、衝突、隆起、侵食を経て現在の高度へ移ったという長い時間軸を組み立てます。空所補充では、直前の現象と直後の説明が、原因、結果、逆接、具体化のどれで結ばれるかを先に判断します。
冠詞や代名詞も論理の一部です。初出の現象には不定冠詞、既に説明した地層には定冠詞、this processのような指示表現には直前の複数文をまとめる働きがあります。語法だけで一つを選べないときは、段落内で情報が「新規」か「既知」かを確認します。
Section B:思考パターンは学習へどう影響するか
段落整序は、内容の雰囲気ではなく照応関係で決めます。冒頭候補は未説明のthis findingやthese studentsで始まりにくく、研究目的や一般的な問いを提示しやすい。中間段落は実験方法から結果、結果から解釈へ進み、最終段落は限界、教育的含意、今後の課題を述べやすい、という機能を使います。
一つの段落内でさらに文を並べる場合は、名詞の初出と代名詞化、広い主張と具体例、対比の前半と後半を組にします。正解順だけをノートへ写さず、各接続を「名詞反復」「thisの指示先」「howeverの対立」「thereforeの結論」のどれで決めたか書くと、根拠が再現できます。
Part IV:定義を具体例と数式へ対応させる
Section A:三つの論理的誤謬
誤謬問題では、例文の話題より推論の形を見ます。相手の主張を弱い別物へ変えて攻撃する、根拠がないまま二つの選択肢しかないと仮定する、出来事の後に起きたことをそれだけで原因とみなす、といった型を一行に要約します。具体例の単語が定義文と一致しなくても、前提から結論への飛び方が同じなら対応候補です。
判断するときは「結論」「示された根拠」「本来必要な根拠」を分けます。誤答選択肢は結論の内容がもっともらしくても、欠落している論理を説明できません。例えば、二つの出来事に時間的な順序があることと、前の出来事が後の出来事を引き起こしたことは別です。相関、順序、因果を短い記号で分けると、英語力と論理判定を切り離せます。
Section B:反復練習と学習効率の逓減
power law of practiceは、練習を重ねると成績は改善するが、同じ回数を追加したときの改善幅は次第に小さくなるというモデルです。数式が出ても、まず変数が表す量、指数の符号、グラフの増減だけを確認します。計算せずに選べる設問では、初期に急速な改善があり、後半で曲線が平らになる形を言語化します。
ここで「上達が止まる」と「上達率が下がる」を混同しないことが重要です。後者はなお改善していても成立します。また、数式が観察データを記述することと、学習が起こる心理的仕組みを説明することも別です。モデルの適用範囲を越えた強い因果説明を選択肢が加えていないか確認します。
Part V:定義と二つの用例を同時に満たす
Part Vは15問とも、定義と二つの例文を満たす一語を選ぶ形式です。定義だけで候補を決めると、一方の例文では品詞、目的語、前置詞、語の自然な組み合わせが合わないことがあります。最初に品詞を決め、次に定義から候補を二つまで出し、最後に両方の例文へ戻す三段階で処理します。
動詞なら自動詞か他動詞か、名詞なら可算か不可算か、形容詞なら人と物のどちらを主語に取りやすいかを見ます。さらに、単語の中心義を一つの日本語へ固定しすぎないようにします。二つの文脈に共通する抽象的な核を探す問題なので、和訳が文ごとに少し違っても、語の働きが同じなら成立します。
復習カードは表に「定義」、裏に「語」だけを書くのでは不十分です。裏面へ品詞、語法、短い自作例文を二つ付けます。一方は入試と近い学術文脈、もう一方は日常文脈にすると、多義性と共起を同時に覚えられます。15問を翌日に45秒ずつで説明し、定義から思い出せなかった語だけを再カード化します。
独自英文の和訳、SVOC、節、自他動詞、修飾関係
以下は入試本文の転載ではなく、2025年度の題材に合わせて日本英語塾が作成した練習文です。構造を取り、和訳を確認した後、主語または時制を変えて書き直してください。
| 独自英文・和訳 | SVOC・節 | 動詞・修飾 |
|---|---|---|
Cooperation becomes stable when repeated encounters make betrayal costly.繰り返し出会うことで裏切りの代償が大きくなると、協力は安定する。 |
Cooperation(S) / becomes(V) / stable(C)。when節は条件・時を示す副詞節。節内はencounters(S) / make(V) / betrayal(O) / costly(C)。 | becomeは連結動詞、makeは他動詞。repeatedはencountersを修飾。 |
An algorithm stops once it has tested every possible factor within the stated limit.アルゴリズムは、定められた範囲内の可能な因数をすべて調べ終えると停止する。 |
algorithm(S) / stops(V)。once節は時の副詞節で、it(S) / has tested(V) / factor(O)。 | stopはここでは自動詞、testは他動詞。possibleとwithin以下がfactorを限定。 |
Fossils that formed under the sea may rise as tectonic plates collide.海底で形成された化石は、プレートが衝突するにつれて隆起することがある。 |
Fossils(S) / may rise(V)。that節はFossilsを修飾する関係節。as節は変化の進行を示す副詞節。 | rise、collideは自動詞、formはここでは自動詞的な受動相当の意味。under the seaはformedを修飾。 |
A fallacy can make an unsupported conclusion appear reasonable.誤謬は、根拠のない結論をもっともらしく見せることがある。 |
fallacy(S) / can make(V) / conclusion(O) / appear reasonable(C相当)。make O doの原形不定詞。 | makeは他動詞、appearは連結動詞。unsupportedはconclusionを修飾。 |
Although practice improves performance, each additional session may produce a smaller gain.練習は成績を改善するが、追加の一回が生む向上幅は小さくなり得る。 |
Although節は譲歩の副詞節。主節はsession(S) / may produce(V) / gain(O)。 | improve、produceは他動詞。eachとadditionalがsession、smallerがgainを修飾。 |
和訳では、英語の語順をそのまま日本語へ写さず、主節の判断を先に置きます。ただし構文分析では訳しやすさより、動詞が要求する要素を優先します。特にmake O C、関係節、譲歩節を「なんとなく修飾」と済ませると、整序や空所補充で再利用できません。
頻出する誤答と直し方
- Part Iで理論名だけを覚え、成立条件と予測を対応させない。各理論を前提・行動・結果の三列で整理する。
- Part IIを日本語順に一語ずつ並べる。動詞、目的語、節の順に骨格を作ってから修飾語を戻す。
- Part III Aで海面変化だけを原因とし、堆積、プレート運動、隆起という時間軸を落とす。
- Part III Bを話題の近さだけで並べ、thisやhoweverの参照先を確認しない。
- Part IV Aで例の内容に賛成できるかを判断し、推論形式を分類しない。
- Part IV Bで改善率の低下を成績低下と読み違える。量と変化率を分けてグラフ化する。
- Part Vで定義に合う最初の語を選び、二つ目の例文の語法を確認しない。
- 公式正答の記号だけを写し、誤答選択肢のどの語が不一致だったか残さない。
誤答ノートには問題文を丸写しせず、番号、選んだ記号、公式正答、誤った判断、次回の確認動作を書きます。例えば「IV-8、増加と増加率を混同、指数の符号と曲線の傾きを先に見る」と残せば、短くても行動へつながります。
7日間の復習計画
- 公式PDFを90分で解き、大学公表の53問と照合する。採点前に未回答と仮回答を区別する。
- Part Iの三英文を前提・行動・結果で各80字以内に要約し、理論間の違いを説明する。
- Part IIの整序5問を語句カードに分解し、正答を見ずに文法単位から復元する。
- Part III Aの地質変化を矢印図にし、Bの全段落へ「導入・方法・結果・解釈・含意」の機能を付ける。
- Part IV Aの誤謬を自作例へ当てはめ、Bの数式を計算せず日本語と概形で説明する。
- Part Vの15語を、品詞、語法、二つの独自例文と一緒に再テストする。
- 間違えた問題だけを45分で解き直し、残り45分で別年度の同形式へ転移できるか確認する。
独自の10点評価は、公式正答との一致2点、本文根拠の特定2点、理論・因果の区別2点、構文・語法2点、90分内の完遂と見直し2点です。これは大学公式の採点基準や合格基準ではなく、復習の弱点を見つけるための自己評価です。
よくある質問
基幹理工、創造理工、先進理工で英語問題は違いますか。
2025年度一般選抜は3学部共通問題です。大学公式ページにも明記されています。本記事は共通問題を1本で扱い、同じ本文の重複ページを作っていません。
英語の公式解答はありますか。
あります。早稲田大学理工学術院がPart I〜Vの全53問を記号で公表しています。本記事の一覧はその公式資料に合わせています。大問別の解説や時間配分は独自です。
Part Iから解くべきですか。
必須ではありません。Part Iに上限時間を設定できるなら順番通りでもよく、長文で止まりやすいならPart V、IIなど形式が明確な大問から始めます。過去問3回分で両方を試し、正答数とマーク完了時刻で選びます。
数式や科学用語をすべて覚える必要がありますか。
本文で定義される概念は、定義、変数、因果、具体例を読めることが優先です。ただしprime number、factor、plate、fallacy、power lawなど頻出の基礎語は、短い英語定義と一緒に覚えると処理が速くなります。
編集・検証方針
日本英語塾編集部が、早稲田大学入学センターの2025年度試験ページ、英語問題PDF、理工学術院の公式解答、一般選抜の得点資料を照合しました。出題テーマの整理には問題構成を確認し、長文・設問・選択肢の転載は避けています。確認できない大問別配点、難易度、合格実績は断定していません。
2024年度の共通英語53問 / 理工3学部の年度横断ページ / 早稲田全学部ハブ / 商学部2025年度 / 教育学部2025年度 / 編集・出典方針
