第40講 総合演習|入試英文10題を構造から読む|英文の原理(最終講)

英文の原理|第IV部 入試で通す|第40講(最終講)
総合演習
― 入試英文10題を構造から読む

全40講の技術を、入試レベルの英文に総合的に当てます。骨格の把握から答案まで、学んだすべてを一つの流れで確認する卒業試験です。

最終講です。第1講から第39講まで積み上げてきた技術――述語動詞をつかまえ、かたまりを識別し、変形された英文を標準形に戻し、入試の設問に答える――を、実際の入試レベルの英文に総合的に当てます。ここまで来たあなたは、初見の難しい一文でも、手順を踏めば構造を確定できるはずです。学んだすべてを、一つの流れとして確認しましょう。

1. 40講の全体像 ― あなたが手にした道具

身につけた技術
第I部(1-10)骨格 述語動詞の特定・準動詞・検算式・文型・主語の切り出し・前置詞句・完全/不完全
第II部(11-24)識別 that・関係詞・what・as・不定詞・-ing・過去分詞・分詞構文
第III部(25-34)変形の復元 並列・省略・比較・倒置・強調構文・挿入・否定・無生物主語
第IV部(35-40)入試 長文読解・和訳・内容説明・要約・英作文

これらは、ばらばらの知識ではありません。「意味は構造の後に決まる」(原理0)という一つの考えの展開です。どんな英文も、述語動詞を数え、かたまりの働きを位置と欠所で決め、変形を標準形に戻せば、構造が確定する。あとは意味を組み立てるだけ。この一貫した読み方が、あなたの武器です。

2. 構造を確定する5題

題 1(関係詞・省略)

The questions a good teacher asks often matter more than the answers a textbook provides.

The questions 〔(that) a good teacher asks [O欠]〕 matter more than the answers 〔(that) a textbook provides [O欠]〕.

目的格関係詞の省略が2か所(第13講)。比較 more than(第27講)。骨格 The questions matter more than the answersmatter(自動詞・重要である)。

良い教師が投げかける問いは、しばしば教科書が与える答えよりも重要である。

題 2(形式主語・不定詞・tough構文)

It is often difficult to distinguish a genuine expert from someone who merely sounds confident.

It is often difficult 〔to distinguish a genuine expert from someone 〔who merely sounds confident〕〕.

形式主語 It(第20・31講)、本物の主語は to distinguish …who は主格関係詞(第13講)。distinguish A from B「A を B と区別する」。

本物の専門家を、単に自信ありげに聞こえるだけの人と見分けることは、しばしば難しい。

題 3(倒置・否定)

Not only does the new evidence fail to support the old theory, but it actively contradicts it.

Not only does the new evidence fail to support the old theory, but it actively contradicts it.

否定語 Not only の文頭倒置(第30講)。fail to do「〜しない」。骨格を戻すと The new evidence not only fails … but actively contradicts it

その新しい証拠は、古い理論を支持しないだけでなく、積極的にそれと矛盾する。

題 4(無生物主語・名詞構文・同格)

The realization that the problem could not be solved by technology alone forced the engineers to rethink their entire approach.

The realization 〔that the problem could not be solved by technology alone〕 forced the engineers to rethink their entire approach.

名詞構文+同格の that 節(第11・34講)。無生物主語 force O to do(第34講)→「〜と気づいたことで、技術者は…せざるを得なくなった」。

その問題が技術だけでは解決できないと気づいたことで、技術者たちは自分たちの取り組み全体を考え直さざるを得なくなった。

題 5(総合)

What separates science from other ways of knowing is not that it never errs, but that it contains, built into its very method, a mechanism for discovering and correcting its own mistakes.

〔What separates science from other ways of knowing〕 is not 〔that it never errs〕, but 〔that it contains, built into its very method, a mechanism 〔for discovering and correcting its own mistakes〕〕.

What 名詞節(第16講)=主語。is not A but B(第25講)で A・B は that 節。built into its very method は挿入された過去分詞句(第23・32講)。for discovering and correcting は並列の動名詞(第22・25講)。

科学を他の認識のしかたと分けるのは、それが決して誤らないということではなく、その方法そのものに、自らの誤りを発見し修正する仕組みが組み込まれているということだ。

第I〜III部の技術が総動員される一文です。それでも、骨格(What … is not A but B)を先に取り、挿入を外し、並列をそろえると、確実に読めます。

3. 自分で読む5題

手順に沿って構造を確定し、和訳してから開いてください。

(1) The more we learn about the brain, the clearer it becomes how much remains unknown.

解答・解説を見る

The 比較級, the 比較級(第27講)。it は形式主語、真主語は how much remains unknown(間接疑問・第17・31講)。「脳について学べば学ぶほど、いかに多くが未知のままかが明らかになる」。

脳について学べば学ぶほど、いかに多くが未知のままであるかが明らかになる。

(2) Rarely has a single technology changed how people work as profoundly as the personal computer.

解答・解説を見る

準否定 Rarely の文頭倒置(第30講)。as … as の比較(第27講)。「パーソナルコンピュータほど深く、人々の働き方を変えた単一の技術は、めったにない」=最上級相当(第29講)。

パーソナルコンピュータほど深く人々の働き方を変えた単一の技術は、めったにない。

(3) Having spent years studying a problem that most had dismissed as trivial, she was finally able to show why it mattered.

解答・解説を見る

完了形の分詞構文(第24講・理由/時)。that most had dismissed as trivial は関係詞節(第13講)。why it mattered は間接疑問(第17講)。「ほとんどの人が取るに足らないと退けていた問題を何年もかけて研究してきた彼女は、ついになぜそれが重要かを示すことができた」。

ほとんどの人が取るに足らないと退けていた問題を何年もかけて研究してきた彼女は、ついになぜそれが重要なのかを示すことができた。

(4) It was not until researchers began sharing their data openly that the field advanced as quickly as it did.

解答・解説を見る

強調構文(第31講)+not until(第30講)+as … as(第27講・as it didas it advancedの代動詞・第26講)。「研究者たちがデータを公然と共有し始めて初めて、その分野は実際にそうであったほど速く進歩した」。

研究者たちがデータを公然と共有し始めて初めて、その分野は実際そうであったほど速く進歩した。

(5) That a theory is elegant does not guarantee that it is true, however tempting it may be to assume otherwise.

解答・解説を見る

先頭の That 節=主語(名詞節・第9・16講)。however tempting … は譲歩(第19・26講・however tempting it may be)。「理論が優美であることは、それが正しいことを保証しない。たとえそう思い込みたくなるとしても」。

理論が優美であることは、それが正しいことを保証しない――たとえそう思い込みたくなるとしても。

4. おわりに ― 構造は、考えるための土台

全40講、おつかれさまでした。この講座で一貫して伝えてきたのは、英文を「なんとなく」ではなく「構造から」読むという一点です。ただし誤解しないでください。構造の手順は、考えなくて済ませるための道具ではありません。手順を踏むことで、単語の意味に振り回される範囲が狭まり、そこから先で、内容そのものに頭を使えるようになる――そのための土台です。

英文が速く正確に読める人も、すべてを一瞬で見抜いているわけではありません。候補を絞り、「こちらだろう」と当たりをつけ、確かめている。その「当たりのつけ方」を、手順として言語化したのがこの講座です。手順は、繰り返し使ううちに、意識しなくてもできるようになります。そうなったとき、あなたは初見の英文を前にしても、もう立ちすくみません。

ここで身につけた読み方は、実際の入試問題で繰り返し使って、初めて本当に自分のものになります。次のステップとして、大学別・年度別の過去問解説で、この読み方が実際の入試でどう効くかを確かめてください。読解の構造把握は、そのまま英作文の力にもなります(第39講)。

5. 次に進む

構造の読み方を、合格の力に

『英文の原理』で身につけた読み方は、実際の入試問題で使い込むほど確かなものになります。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。あなたが今どの段階にいるかを担当講師が診断し、構造把握を志望校の合格答案に変えるところまで、一貫して伴走します。全国どこからでも受講できます。まずは体験授業で、今のあなたの読み方をごらんください。

体験授業のご案内
大学受験英語コースを見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です