第39講 読める構造は書ける|英作文への逆流用|英文の原理
― 英作文への逆流用
読解で身につけた構造の知識は、そのまま英作文の武器になります。骨格から組み立て、修飾を足す。読む手順を逆に回せば、正しい英文が書けます。
第IV部の終盤です。ここまでの読解の技術――述語動詞を軸に骨格を組む、修飾を正しい位置に置く、省略・並列の形をそろえる――は、英作文でそのまま使えます。和文英訳・自由英作文で失点する原因の多くは、構造の乱れです。読む手順を逆に回して、骨格から組み立てる作文の手順を整理します。
1. 原理 ― 骨格から組み立てる
英文を書くときも、まず述語動詞を決め、文型(後ろに何が要るか)を確定し、骨格(S・V・O・C)を組む。修飾(形容詞・副詞・関係詞・分詞)は骨格に足す。並列は形をそろえ、比較は対象をそろえる。読む手順を逆に回せば、構造の正しい英文になる。
日本語をそのまま英単語に置き換えると、構造が崩れます。正しくは、日本語の内容を「誰が・どうする・何を」に整理し、動詞を決めて骨格を組み、そこに修飾を足す。読解で「骨格→修飾」の順に読んだのと同じ順で、書きます。
2. 組み立ての手順
- 言いたい内容を「主語・動詞・目的語」に整理する。日本語の語順のままにしない。
- 動詞を決め、文型を確定する(第4講)。その動詞が後ろに何を要求するか(自動詞か他動詞か、SVOOかSVOCか)。
- 骨格を組む。まず短い正しい文を作る。
- 修飾を足す。形容詞は名詞の前後、副詞は動詞の周り、関係詞・分詞で情報を追加(第7・13・22講)。
- 並列・比較の形をそろえ、時制・一致・冠詞を確認する。
3. 作文の実演
日本文:この技術のおかげで、医師は以前は見えなかった病気の兆候を早期に発見できるようになった。
手順1:内容を整理
誰が・どうする・何を:「医師が・発見できる・病気の兆候を」。「この技術のおかげで」=原因 → 無生物主語に。
手順2-3:動詞と骨格
enable O to do(第34講)で「技術が医師に〜を可能にする」=無生物主語。骨格が完成。
手順4:修飾を足す
「早期に」=副詞 early。「以前は見えなかった」=関係詞節 that were previously invisible(signs を説明)。
完成
- 使った構造
- 無生物主語+enable O to do(第34講)/関係詞節(第13講)/語順(第4講)
This technology enables doctors to detect early signs of disease that were previously invisible.
「〜のおかげで」を無生物主語に、「以前は見えなかった兆候」を関係詞で。読解で身につけた構造を、そのまま組み立てに使いました。
日本文:読書は、知識を増やすだけでなく、集中力を高めることにも役立つ。
- 並列
- not only A but also B の A・B を同じ形(to increase / to improve)にそろえる(第25講)
Reading helps not only to increase knowledge but also to improve concentration.
not only A but also B はA と B の形をそろえる(第25講)。to do と to do。片方を -ing にすると減点されます。
4. つまずきやすい形
(1) 日本語の語順で英単語を並べない
「私は昨日買った本を読んだ」を I yesterday bought book read のように並べない。まず骨格 I read the book を作り、修飾((that) I bought yesterday)を足します。骨格が先、修飾が後。
(2) 動詞の文型(語法)を守る
discuss about(×)→ discuss(○)、explain me(×)→ explain to me(○)。動詞が後ろに何を要求するか(第4・6講)を守ります。自動詞・他動詞、SVOO・SVOCの区別が、読解と同じく作文の土台です。
(3) 並列・比較の形をそろえる
both A and B / not only A but also B の A・B、比較の2対象は同じ形(第25・27講)。I like reading and to write(×)→ reading and writing(○)。読解で並列の相手を探したのと同じ意識で、書くときも形をそろえます。
(4) 時制・一致・冠詞を最後に点検
骨格と修飾を組んだら、時制の一致、主語と動詞の一致(第5講)、冠詞・単複を点検します。長い主語では、核の名詞に動詞を一致させます。これらは減点の常連なので、書き終えたら必ず確認します。
5. 自由英作文
自由英作文では、内容以前に構造の正しい文を積むことが土台です。難しい構文を狙うより、骨格の明確な文を、正しい並列・比較・接続でつなぐほうが、伝わり、減点も少ない。読解で身につけた「主張→理由→具体→まとめ」(第35・38講)の型を、そのまま自分の文章の構成に使えます。
意見を述べる型(In my opinion … because … For example … Therefore …)は、第35講で読んだ評論の型の裏返しです。読める構造は書ける――読解と英作文は、同じ構造の知識の表と裏です。次の第40講で、全40講の技術を総合演習に注ぎ、コースを締めくくります。
6. 確認問題
次の日本文を、①骨格を先に組み ②修飾を足す手順で英訳してから開いてください。
(1) 彼女が提案した計画は、誰も予想しなかった問題を解決した。
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骨格:The plan solved a problem./修飾:(that) she proposed(plan を説明)、(that) no one had expected(problem を説明)。
The plan (that) she proposed solved a problem (that) no one had expected.
The plan she proposed solved a problem that no one had expected.
(2) インターネットの普及によって、人々は世界中の情報に瞬時にアクセスできるようになった。
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「〜の普及によって」=無生物主語(第34講)。The spread of the internet has allowed people to access information from around the world instantly.(allow O to do)。名詞構文 The spread of the internet を主語に。
The spread of the internet has allowed people to access information from around the world instantly.
(3) 練習を重ねることは、才能に恵まれることと同じくらい重要だ。
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比較の2対象を同じ形(動名詞)にそろえる(第27講)。Practicing repeatedly is as important as being gifted with talent.(as … as の間は原級 important)。動名詞 Practicing と being gifted を対応させる。
Practicing repeatedly is as important as being gifted with talent.
7. この講のまとめ
| 原則 | 骨格から組み立て、修飾を足す。読む手順を逆に回す |
|---|---|
| 手順 | 内容をS・V・Oに整理→動詞と文型→骨格→修飾→並列・比較・一致の点検 |
| 武器 | 無生物主語(enable/allow/make)で「〜のおかげで」を英語らしく |
| そろえる | 並列(not only A but also B)・比較(as…as)の形をそろえる |
| 点検 | 動詞の語法・時制・一致・冠詞を最後に確認 |
いよいよ最終講です。第40講では、全40講の技術を、実際の入試レベルの英文10題に総合的に当てて、コースを締めくくります。骨格の把握から入試の答案まで、学んだすべてを一つの流れとして確認します。
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読める構造を、書く力に変える
読解で身につけた構造の知識は、英作文でそのまま使えます。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。骨格から組み立て、無生物主語や並列を正しく使う英作文を、添削で徹底的に鍛えます。
