第25講 等位接続詞|and は何と何を結んでいるか|英文の原理

英文の原理|第III部 動かされた英文を戻す|第25講
等位接続詞
― and は何と何を結んでいるか

and・or・but を見たら、必ず「何と何を結んでいるか」を確定します。結ぶ相手は、同じ資格・同じ形のものです。これが読めないと、文の構造が崩れます。

第III部に入ります。ここからは、標準形から変形された英文――等位接続・省略・比較・倒置――を「元の形に戻して読む」技術です。その最初が等位接続詞and / or / but / nor / so / yet)。第3講の検算で「and は必ず何と何を結ぶか確かめる」と述べましたが、この講でその判断を正面から詰めます。

1. 原理 ― 等位接続詞は同じ資格を結ぶ

原理 5

等位接続詞(and / or / but …)は、文法上同じ資格・同じ形のものどうしを結ぶ。名詞と名詞、動詞と動詞、句と句、節と節。結ぶ相手が決まって、はじめて文の構造が確定する。

and を見たとき、多くの人は「直前の語」と「直後の語」を結んでいると思い込みます。しかし実際には、もっと大きなかたまりどうしを結んでいることが多い。だから「何と何か」を確定しないまま読み進めると、構造を取り違えます。

She studies physics and her brother studies law. … 節 and 節
She studies physics and chemistry. … 名詞 and 名詞

同じ and でも、結んでいるのは節どうし(左)か名詞どうし(右)か。直後だけ見ても決まりません。後ろを読んで、左に「同じ資格・同じ形」の相手を探します。

2. 結ぶ相手の見つけ方

  1. 等位接続詞の直後の要素の「品詞・形」を見る。名詞か、動詞か、形容詞か、前置詞句か、節か。
  2. その同じ形のものを、左(前)に探す。直前とはかぎらない。少し前に同じ形があることも多い。
  3. 「戻して読む」。結ばれた2つを、それぞれ独立に主節につなげて意味が通るか確かめる。
  4. 共通部分の省略に注意する。後半で省略された語(主語・動詞など)を補う(第26講)。
判断の軸は「後ろの形に、前の何が対応するか」です。and の後ろが動詞の原形なら、前の動詞(原形)を探す。後ろが to do なら、前の to do を探す。形をそろえるのが等位接続の原則(並列は同じ形)だからです。

3. 例文の解析

EX 1|動詞と動詞(主語は共通)

The committee reviewed the proposal and rejected it within an hour.

The committee reviewed the proposal and rejected it within an hour.
and が結ぶ
動詞 reviewedrejected(主語 The committee は共通)

委員会はその提案を検討し、1時間以内に却下した。

2つの述語動詞を and が結び、主語は共通。第3講の検算では、and を1つのつなぐ語と数えます。

EX 2|結ぶ相手が直前ではない

The report examined the causes of the decline and the measures needed to reverse it.

The report examined the causes of the decline and the measures 〔needed to reverse it〕.
and が結ぶ
名詞 the causes … と名詞 the measures …(ともに examined の目的語)
注意
直前の the decline ではない

その報告書は、衰退の原因と、それを逆転させるために必要な対策を検討した。

and の直前は the decline ですが、結んでいるのは the causesthe measures(どちらも examined の目的語)。「原因と対策を検討した」と意味を戻すと、対応が確認できます。

EX 3|to do と to do(形をそろえる)

The aim of the program is to reduce waste and to promote recycling.

The aim of the program is to reduce waste and to promote recycling.
and が結ぶ
to reduce …to promote …(ともに不定詞・補語)

そのプログラムの目的は、廃棄物を減らし、リサイクルを促進することだ。

後ろが to promote(不定詞)なので、前の to reduce(不定詞)と結ばれています。形がそろっているのが等位接続の目印です。

EX 4|both A and B / not only A but also B

The new policy affects not only large corporations but also small family businesses.

The new policy affects not only large corporations but also small family businesses.
not only A but also B
A(large corporations)と B(small family businesses)は同じ形(名詞)

その新しい政策は、大企業だけでなく、小さな家族経営の事業にも影響する。

both A and Bnot only A but also Beither A or Bneither A nor B相関接続詞。A と B は必ず同じ形。片方を見たら、もう片方の形をそろえます。

EX 5|節と節(後半で主語省略)

The engine started but soon stopped again.

The engine started but soon stopped again.
but が結ぶ
動詞 startedstopped(主語 The engine は共通・後半で省略)

エンジンは始動したが、すぐにまた止まった。

EX 6|入試レベル・結ぶ相手が紛らわしい

The study found that regular exercise improves memory and that its benefits persist for years after the training ends.

The study found 〔that regular exercise improves memory〕 and 〔that its benefits persist for years …〕.
and が結ぶ
2つの that 節(ともに found の目的語)
手がかり
and の後ろが that → 前の that 節を探す

その研究は、定期的な運動が記憶力を高めること、そしてその効果は訓練終了後も何年も続くことを見出した。

and の後ろが2つめの that なので、前の that 節と結ばれていると分かります。後ろの that が、前の that を探す目印になります。2つ目の that を省略しないのは、並列を明示するためです。

4. つまずきやすい形

(1) and の後ろの形から、前の相手を決める

and の後ろが名詞なら前の名詞、動詞なら前の動詞、to do なら前の to do後ろの形が、探すべき相手の形を教えてくれます。これが並列を読む基本の手順です。

(2) 相関接続詞は形をそろえる

not only A but also B の A と B、both A and B の A と B は、必ず同じ品詞・同じ形。not only の後ろが動詞なら、but also の後ろも動詞。英作文でも、この対応が崩れると減点されます。

(3) A, B, and C(3つ以上の並列)

3つ以上を並べるときは A, B, and C(最後だけ and)。and の後ろ(C)と同じ形のものを、コンマ区切りで前に探します。and が複数あるときは、どのレベルの並列かを見極めます。

(4) 主語の一致に注意

A and B が主語なら複数扱い。ただし bread and butter(一体のもの)や every … and … は単数扱いのことも。並列の相手を確定することは、動詞の数の判断にも関わります(第5講の検算)。

5. 入試ではこう出る

整序英作文・空所補充では、並列の形をそろえることが直接問われます。to do and (to) donot only … but also … の対応など。後ろの形に前をそろえる、という手順で解けます。

読解では、長い and の並列で「何と何を結んでいるか」を取り違えると、文全体の意味がずれます。とくに EX 2 のように結ぶ相手が直前でないときや、EX 6 のように that 節どうしを結ぶときが要注意。and を見たら後ろの形を確認し、前に同じ形を探す――この一手が、複雑な文の骨格を守ります。

6. 確認問題

各文の and / but / or①何と何を結んでいるか ②結ぶ相手の形を言えるようにしてから開いてください。

(1) The scientists collected samples from the river and analyzed them in the lab.

解答・解説を見る

動詞 collected と analyzed。主語 The scientists は共通。「採取し、分析した」。and の後ろが動詞(過去形)なので、前の動詞と結ぶ。

科学者たちは川から試料を採取し、それを研究室で分析した。

(2) Success depends on talent and, more importantly, on persistent effort.

解答・解説を見る

前置詞句 on talent と on persistent effort。ともに depends につながる。and の後ろが on …(前置詞句)なので、前の on talent と結ぶ。more importantly は挿入。

成功は才能に、そしてより重要なことに、粘り強い努力にかかっている。

(3) The plan was neither realistic nor affordable.

解答・解説を見る

形容詞 realistic と affordable(neither A nor B)。相関接続詞。A と B は同じ形(形容詞)。「現実的でも、手頃でもなかった」。

その計画は、現実的でも、手頃な費用でもなかった。

(4) She argued that the data were incomplete and that the conclusion was premature.

解答・解説を見る

2つの that 節(ともに argued の目的語)。and の後ろが that なので、前の that 節と結ぶ。「データが不完全であること、そして結論が早計であることを主張した」。

彼女は、データが不完全であること、そして結論が早計であることを主張した。

(5) The device is designed to monitor heart rate, track sleep, and detect irregular rhythms.

解答・解説を見る

3つの原形動詞 monitor / track / detect(A, B, and C の並列)。すべて to につながる(to monitor, (to) track, and (to) detect)。同じ形(原形)でそろえる。

その装置は、心拍数を測定し、睡眠を記録し、不規則なリズムを検知するように設計されている。

7. この講のまとめ

原理5 等位接続詞は同じ資格・同じ形のものを結ぶ
手順 後ろの形を見る → 前に同じ形を探す → 戻して意味を確認
結ぶ相手 直前とはかぎらない。少し前に同じ形があることも多い
相関接続詞 both A and B / not only A but also B / either A or B / neither A nor B。A と B は同形
関わる判断 共通部分の省略(第26講)・動詞の数(第5講)

次の第26講では、and で結ばれた並列で共通する部分が省略される形――共通関係と省略――を扱います。消えた語を復元して読む技術で、第III部の中心テーマ「標準形に戻す」がさらに進みます。

次の講へ

and の結ぶ相手を、形で見抜く

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