2024年度 早稲田大学教育学部 英語|A・B方式とC方式の公式正答・論述解説
2024年度 早稲田大学教育学部 英語|A・B方式とC方式の解答・論述解説
「日常語の意味」「AIは人間を愚かにするか」「終末期明晰」を扱うA・B方式と、二つのAI論を比較して日英両言語で論じるC方式を、方式の違いから答案作成まで整理します。
公式資料と本記事の範囲
早稲田大学の2024年度教育学部試験ページ、A・B方式英語問題PDF、C方式英語問題PDFを基準にしました。A・B方式PDFは訂正1ページを含む14ページ、C方式PDFは8ページです。
入試長文や設問全文は転載しません。第I問と第III問には著作権上非掲載の本文があるため、完全な復習には当年度の正規問題冊子が必要です。本記事では大学公式正答、公開PDFから確認できる設問構造、短い独自英文、独自答案を使います。解答例PDFは現在掲載終了ですが、早稲田大学ドメインに残る公式検索記録で正答と出題意図を照合しています。
A・B方式:公式正答一覧
| 大問 | 公式正答 | 注意 |
|---|---|---|
| I | 1 b / 2 a / 3 b / 4 d / 5 c / 6 b / 7 c / 8 b / 9 c / 10 a / 11 a / 12 d / 13 b / 14 b | 本文は公式Web版で著作権上非掲載 |
| II | 1 c / 2 b / 3 d / 4 d / 5 a / 6 4th b・5th a / 7 a / 8 a / 9 c / 10 d | AIと知的作業。C方式Passage Aと共有 |
| III | 1 c / 2 c / 3 c / 4 正解なし / 5 c / 6 a / 7 d / 8 a / 9 b / 10 b / 11 d / 12 a / 13 d | 問4は選択肢不備のため全員得点 |
正答表は答えを暗記するためではなく、根拠へ戻る索引として使います。間違えた問題では「語句」「指示語」「段落機能」「筆者の立場」「本文にない情報」のどれで判断を誤ったかを一語で記録してください。
第I問:日常語の意味は交渉され続ける
公開版では出典本文が伏せられていますが、設問から、子どもと大人が「公平」「生」「死」などの概念を同じ固定定義で使っているとは限らず、日常会話の中で意味をすり合わせるという論旨を確認できます。ここで問われるのは難語よりも、具体例が抽象的主張をどう支えるかです。
根拠の取り方
- 「公平」の例なら、ケーキを同量に分ける個別行為と、えこひいきのない扱いという一般定義を区別する。
- 子どもの発言は、幼さの笑い話ではなく、概念理解が一貫しないことを示す証拠として読む。
- 比喩やcharadesの意味は辞書の第一義だけで決めず、その段落で言語理解のずれを表す役割を見る。
- 最終要約では、国ごとの違いだけに狭めず、同じ言語を使う日常場面でも意味が交渉されるという射程を残す。
誤答の典型は、本文の具体例をそのまま主題にしてしまうことです。「子どもは言葉が苦手だ」では狭すぎます。子どもの例は、人が概念を共有しているつもりでも理解に差があり、対話で調整する必要があるという一般論へ上がるための材料です。
第II問:AIに任せると、思考の余地は増えるのか
筆者は1967年の電子計算機からGPS、文章支援、検索、AIへと技術史を並べます。悲観論は、機械が知的作業を代行すれば人間の脳が衰えると考えます。これに対し筆者は、古代ギリシャの思想家が現代人より少ない情報環境で思考できたことを手掛かりに、不要な情報処理を機械へ移せば、問い、想像し、創造する余地が戻ると反論します。
第4問で映画『WALL-E』が出る理由は、映画の内容そのものを問うためではありません。身体が機械依存で衰える悲観像を先に置き、それと平行する「精神が思考を失う未来像」を導く比較です。第8問のNOT問題では、古代人の頭が空だったのではなく、当時の知識総量が現代より小さかったという限定を守ります。
第III問:終末期明晰と「一方向の認知低下」
第III問は、重い認知機能低下がある人が死の直前に一時的な明晰さを示すterminal lucidityを扱います。ラットや心停止患者の脳活動、ガンマ波、蘇生時の記憶、低酸素への生体反応などが並びます。重要なのは、個々の実験を「終末期明晰の証明」と早合点しないことです。観察、仮説、未解明点を分けて読みます。
公式PDF冒頭の訂正では、第III問4の選択肢に不適切な部分があり、適切な解答に至らないおそれがあるため、解答の有無・内容にかかわらず全員得点とされています。後から演習する受験生も「正解なし」を知るだけでなく、大学が問題不成立をどう処理したかまで記録すると、資料の版を取り違えません。
科学記事を読む三層
- 現象:死の直前に会話や記憶が一時的に戻ったという報告。
- 測定:動物実験や蘇生中の脳活動で観察された変化。
- 解釈:低酸素に対する脳の反応が現象を説明できるかという仮説。
「観察された活動」と「意識が回復したこと」を同一視すると誤ります。NOT問題では、本文が述べた測定時点、対象、因果の方向を一つずつ照合してください。
C方式:選択10問と二つの論述
C方式の公式正答は、1 c / 2 b / 3 d / 4 d / 5 a / 6 c / 7 c / 8 d / 9 d / 10 bです。Passage Aは第II問と共通する楽観論、Passage Bは学生による応答です。学生は、計算機が普及しても算数教育が消えず、GPSにも地図を読む基礎知識が必要で、機械翻訳を評価するには外国語を理解する人が必要だと反論します。さらに、ネット上の誤情報を評価する教育の重要性を述べます。
二人はAIへの態度が完全に反対なのではありません。どちらも未来を単純に悲観しません。相違点は、Passage Aが情報処理をAIへ移すことで思考が解放されると見るのに対し、Passage BはAI依存が進むほど、出力を検証する基礎知識と教育が必要になり、人間の頭はむしろ忙しくなると考える点です。
日本語論述の独自答案例(180〜250字を想定)
設問はPassage Bの筆者が下線部の譲歩を述べる理由をPassage Aから説明させます。自分のAI観を書かず、Aの「不要情報の除去→思考の余地→創造」という因果を保つことが採点上の中心です。
英語論述の独自答案例(約150語)
Answer: As our reliance on AI increases, our brains will need to work differently rather than simply more or less. Passage A suggests that machines can remove routine mental work and leave us more room to inquire and create. This benefit is real: a translation tool, for example, can quickly produce a draft. However, Passage B rightly stresses that users still need basic knowledge to judge whether an output is accurate. If students accept every fluent answer without checking its evidence, they may save time but lose the ability to make responsible decisions. Schools should therefore teach learners to compare sources, identify uncertainty, and explain why they accept or reject an AI response. In this environment, memorizing every detail may become less important, while evaluating information and forming questions will become more demanding. AI can reduce repetitive work, but it also transfers responsibility to the user. Our brains will work less on routine production and more on verification, interpretation, and judgment.
和訳:AIへの依存が増すと、脳は単純に多く、または少なく働くのではなく、異なる仕方で働く必要がある。機械は定型作業を減らせるが、出力の正確さを判断する基礎知識は残る。学校は情報源の比較、不確実性の発見、AI回答を採用・却下する理由の説明を教えるべきだ。反復作業は減る一方、検証・解釈・判断の責任は重くなる。
構成は主張、Aの利用、Bによる限定、具体例、教育上の提案、結論の順です。引用は長く写さず、Passage A suggests that ... のように内容を要約して組み込みます。
独自英文でSVOC・節・自他動詞を確認
| 英文・和訳 | 文型と節 | 動詞・修飾 |
|---|---|---|
Children negotiate what fairness means when examples conflict.例が食い違うとき、子どもは公平が何を意味するかをすり合わせる。 |
Children(S) / negotiate(V) / what節(O)。what(S) / means(V)。when節は副詞節。 | negotiateは他動詞。conflictは自動詞。when節はnegotiate全体を修飾。 |
AI leaves learners more time to examine difficult questions.AIは学習者に難しい問いを検討する時間をより多く残す。 |
AI(S) / leaves(V) / learners(O1) / more time(O2)。to examineはtimeを具体化。 | leave、examineは他動詞。difficultはquestionsを修飾。 |
Students who use translation tools still need knowledge that helps them judge the output.翻訳ツールを使う学生にも、出力を判断する助けとなる知識が必要だ。 |
Students(S) / need(V) / knowledge(O)。who節はStudents、that節はknowledgeを修飾。 | use、need、helps、judgeは他動詞。stillはneedを修飾。 |
Although brain activity may rise, the evidence does not prove that consciousness returns.脳活動が高まることはあっても、その証拠は意識が戻ることを証明しない。 |
Although節+主節。evidence(S) / does not prove(V) / that節(O)。that節内はconsciousness(S) / returns(V)。 | rise、returnは自動詞。proveは他動詞。mayは可能性で断定を弱める。 |
90分の時間配分
| 方式 | 目安 | 見直し |
|---|---|---|
| A・B方式 | 第I問28分、第II問24分、第III問28分 | 10分。NOT、語句整序、本文不一致を優先 |
| C方式 | 二資料読解30分、選択10問12分、日本語論述18分、英語論述25分 | 5分。字数、引用、主語動詞、段落の一貫性 |
C方式では英作文から書き始めるのではなく、AとBの一致点・相違点を二列でメモします。そのメモを日本語論述と英語論述の両方へ再利用すると、読み直しを減らせます。
頻出ミスと7日間の復習
- 具体例を筆者の最終主張と取り違える。
- NOT / CANNOT / inconsistentを見落とす。
- Passage BをAの全面否定として読む。
- 脳活動の観察から意識回復を断定する。
- 日本語論述に自分の意見を混ぜる。
- 英語論述で資料を長く引用し、自分の論証が薄くなる。
- 正規問題を90分で解き、訂正版PDFか確認する。
- 三大問の各段落を「主張・例・反論・結論」で一行要約する。
- 誤答を語句、照応、論理、NOT、時間不足に分類する。
- 第II問を使い、Aの楽観論を200字で説明する。
- Passage Bの反論を100字でまとめ、Aとの共通点も一文で書く。
- 英作文を150語で書き、資料参照、理由、具体例、結論に印を付ける。
- 選択問題を45分、論述を45分に分けて再演習する。
独自10点セルフ採点
主張2点、資料Aの正確な利用2点、資料Bとの比較2点、理由・具体例2点、英文の一貫性と基本文法2点です。これは大学公式配点ではありません。学習時に答案の弱点を見つけるための日本英語塾独自基準です。
よくある質問
A方式とB方式で英語対策を分ける必要はありますか。
英語問題は同一です。ただし他科目の組み合わせが異なるため、総学習時間の配分は別に設計してください。
C方式はA・B方式の問題だけで対策できますか。
できません。共有素材はありますが、二資料の比較、180〜250字の日本語説明、約150語の資料参照型英作文が必要です。
第III問4は何を選べばよいですか。
大学公式の訂正で正解なし、受験生全員得点です。市販問題集を使う場合も訂正反映版か確認してください。
編集・検証方針
日本英語塾編集部が大学公式の試験ページ、訂正反映後問題PDF、当時の公式解答・出題意図の検索記録、2024年度要項記録を照合しました。掲載終了資料を現行公開中とは表記せず、独自答案と大学公式正答を区別しています。確認できない設問別配点や合格実績は記載していません。
