2024年度 早稲田大学文学部 英語|独自解答・長文・要約の詳しい解説
スポーツ、ゲルマン諸部族、半球睡眠、デューイの伝記、日記文学、多言語社会、幽霊との対話、多様性の要約を大問別に扱います。
2024年度早稲田大学文学部英語は、第I問の語句空所、第II問の長文内容理解、第III問の文挿入、第IV問の会話完成、第V問の短い英語要約で構成されます。本記事は早稲田大学公式の訂正反映後問題PDF13ページを確認し、年度固有の論点を整理したものです。大学公式の「解答例・出題の意図」は公表期間が終了しているため、1〜38の記号は問題本文と選択肢を照合して作成した日本英語塾の独自解答です。入試本文を転載せず、解答根拠、独自英文の和訳、SVOC、節、自動詞・他動詞、修飾関係、時間配分まで解説します。
2024年度の5大問と題材
| 大問 | 年度固有の題材 | 中心技能 |
|---|---|---|
| I-A | スポーツが社会・国家意識へ及ぼす影響と暗部 | 語義、連語、評価方向 |
| I-B | ローマ人が作ったゲルマン諸部族像と一括りの危険 | 前置詞、動詞、名詞、比較 |
| II-A | 海生哺乳類などに見られる片側の大脳半球睡眠 | 定義と生物群の比較 |
| II-B | 伝記が人物の思考・感情・複数の役割をどう表すか | 著者の主張と具体例 |
| II-C | イスラム圏の日記、ジッド、ドストエフスキー、文学的評価 | 私的領域、出版、偏見と作品評価 |
| III | 英語史を単一言語史でなく多言語接触として捉える議論 | 照応、具体例、時代の推移 |
| IV | 運命と自由意志をめぐる男と幽霊の逆説的会話 | 句表現、自然な応答、ユーモア |
| V | 多様性は分断ではなく統一と教育機会を広げ得るという議論 | 4〜10語の英語要約 |
第I〜IV問は計38問、第V問は指定された書き出しに続けて4〜10語を補う記述です。第V問では、問題ページから3語以上を連続して使わない条件があります。選択問題の量が多いため、最初から全てを精読すると要約時間が消えます。形式ごとに「何を確認したら選ぶか」を決める必要があります。
大学公式の一次資料
第I〜IV問の独自解答
以下は日本英語塾による独自解答です。大学公式解答ではありません。第I問は文法・連語・意味、第II問は本文との一致、第III問は挿入後の照応、第IV問は会話全体の自然さを再確認しています。
| 大問 | 独自解答 |
|---|---|
| I-A | 1 b / 2 d / 3 b / 4 c / 5 c / 6 a / 7 c |
| I-B | 8 a / 9 a / 10 b / 11 d / 12 c / 13 c / 14 c |
| II-A | 15 d / 16 b |
| II-B | 17 c / 18 c / 19 d |
| II-C | 20 b / 21 a / 22 b / 23 d / 24 a |
| III | 25 e / 26 b / 27 h / 28 a / 29 g / 30 d / 31 f |
| IV | 32 j / 33 m / 34 k / 35 l / 36 g / 37 h / 38 a |
解き直しでは正答記号だけを写さず、根拠を10〜25字で残します。例えば第III問25なら、候補文の「現代の多言語話者」を受けて直後のTheyが成立する、といった照応を書きます。根拠が言えない問は、正解していても再学習の対象です。
第I問:社会的意味と歴史像を語彙でつなぐ
I-A スポーツの結果が国家意識へ広がる
冒頭は、競技場での勝敗を身体的経験の範囲だけに閉じず、国家的記憶や社会問題へ広げます。1950年の国際大会決勝を、開催国の誇りに衝撃を与えた例として使います。設問1は競技場の出来事が経験の限界を構成する、2は観衆を沈黙させるほど驚かせる、3は敗北の衝撃を説明する、という文の骨格です。4はスポーツ敗戦と大規模な人的被害の比較が不適切に誇張されているという評価、5は人々の生活へ深く影響するという副詞を選びます。
後半では、公正やスポーツマンシップという建前と、社会の病理が競技周辺にも現れるという暗部が対比されます。設問6は既に与えられた価値を前提にする表現、7はメディアの注目によって問題が増幅される関係です。競技知識ではなく、譲歩と逆接の方向を追えば解けます。
A match may end in ninety minutes, but the story attached to it can shape public memory for decades.
独自和訳:試合は90分で終わるかもしれないが、それに結び付いた物語は何十年にもわたり公共の記憶を形づくり得る。
- 前半
- A match(S)/ may end(V)。endはここでは自動詞です。
- 後半
- the story(S)/ can shape(V)/ public memory(O)。shapeは他動詞です。
- 分詞
- attached to itはstoryを後ろから修飾し、itはmatchを受けます。
- 対比
- 短い出来事と長く残る社会的記憶をbutで対比します。
I-B 「ゲルマン人」を単一集団として見る誤り
ローマ側の記述は、北方の人々を勇敢だが高度な思考能力に欠ける存在として類型化します。設問8は「能力がない」、9はview A as B、10は歴史が彼らに起こるという組み合わせです。続く段落は、異なる諸部族を同じものとみなす前提を批判します。11はassumption、12はsingle groupが自然です。民族移動期には諸部族の目標差がより明確になり、ゴート人は他の集団と異なる姿勢を示します。13はdivideがより鮮明になる、14はstand out from the restという連語です。ローマ人の評価と、本文筆者が指摘する歴史的誤りを混同しないでください。
第II問:三つの長文を固有の論理で読む
II-A 片側の大脳半球だけが眠る仕組み
第II問Aは、脳の片側が眠り、もう片側が覚醒する睡眠を定義し、クジラ・イルカ、オットセイ・アシカ、鳥、人間を比較します。設問15は定義そのものなのでdです。設問16は、この睡眠を示す哺乳類が海中または海辺で生活するという共通傾向を拾うbです。鳥にも例があるため、「海生哺乳類だけ」と一般化しないことが大切です。
Some marine mammals remain partly alert while one side of the brain enters a slow-wave state.
独自和訳:一部の海生哺乳類は、脳の片側が徐波状態に入る間も、部分的に覚醒したままでいる。
- 主節
- Some marine mammals(S)/ remain(V)/ partly alert(C)。remainは連結動詞です。
- while節
- one side of the brain(S)/ enters(V)/ a slow-wave state(O)。
- 修飾
- of the brainはsideを、partlyはalertを修飾します。
- 動詞
- remainは自動詞的、enterはここでは他動詞です。
II-B 伝記は事実一覧ではなく人物を再現する形式
第II問Bは、伝記を単なる事実の蓄積ではなく、形式・文体・態度・視点を通して対象人物の生を再現する解釈と捉えます。設問17は、対象者の人生と視点を文体・感情面でも映すcです。ジョン・デューイは感情を入口として思考した人物なので、18はその情動的性格に寄り添うcです。哲学、教育、政治、公共政策など複数領域で活動したため、19はdになります。重要なのは「事実か解釈か」の二択にしないことです。本文は事実を慎重に扱う必要を認めた上で、事実をどの形で並べれば人物の生に近づけるかを問います。
II-C 日記の私性、出版、偏見と文学的評価
第II問Cは、トルコ製の日記帳を出発点に、イスラム圏に日記習慣がなかったという西欧中心的見方を疑います。過去の日記は後世への出版物ではなく記憶の補助として使われ、注釈・出版の伝統が乏しいため失われやすかったと説明します。20はb、21はaです。出版を想定した日記は、私的に見える語りを作りながら、公開後には個人領域の影響力を広げます。22はその二面性を表すbです。
後半では、ジッドがトルコへ否定的な記述を残してもトルコの作家が作品を評価したことと、ドストエフスキーがフランスを批判してもジッドが彼を評価したことを並べます。作品への敬意は、作家が自国を好むかどうかだけで決まらないため23はd、全体題は日記・私的領域・作家評価をまとめるaです。
A diary written for future readers is private in tone but public in intention.
独自和訳:将来の読者に向けて書かれた日記は、語調は私的でも、意図は公的である。
- 骨格
- A diary(S)/ is(V)/ private(C)/ but public(C)。
- 分詞
- written for future readersはdiaryを修飾します。
- 省略
- 後半ではisが省略され、in toneとin intentionが観点を限定します。
- 動詞
- writeは他動詞の過去分詞、isは連結動詞です。
第III問:多言語社会の歴史を照応で復元する
第III問は、多言語使用を例外ではなく、多くの社会にとって過去も現在も普通の状態と捉えます。25には現代の多言語話者を導入するeが入り、その人々を直後のTheyが受けます。26には非母語話者から見た英語への多様な評価を述べるbが入り、英語話者だけが他言語を警戒するわけではないという前文を補います。
27は聖書の言語奇跡を紹介するhで、直後の15言語が具体化します。28はハンガリー王が外国人と客人の有用性を説くaで、後続の「さらに彼は」とつながります。29は国語を単一で勝利した結果として描く古い言語史を批判するgです。30は現代と過去が似るなら、言語調整の証拠を過去へ探す必要があると述べるdで、次段落の地名・古記録への橋になります。31は古英語に翻訳者の社会的役割を表す語があったとするfです。
| 空所 | 決定的な手掛かり | 関係 |
|---|---|---|
| 25 e | 直後のThey | 多言語話者を先に提示 |
| 26 b | 英語への相反する評価 | 警戒は英語話者だけではない |
| 27 h | 直後の15言語 | 奇跡の具体化 |
| 28 a | 後続のhe added | 王の第一の助言 |
| 29 g | 直後のThis view | 単一国語史観 |
| 30 d | 次段落の過去資料 | 現在から過去へ |
| 31 f | 古英語と翻訳者 | 多言語接触の具体例 |
Languages do not merely coexist; speakers reshape them whenever communities meet.
独自和訳:言語は単に共存するのではない。共同体が接触するたびに、話者が言語を作り変える。
- 前半
- Languages(S)/ do not coexist(V)。coexistは自動詞です。
- 後半
- speakers(S)/ reshape(V)/ them(O)。reshapeは他動詞です。
- 時の節
- whenever communities(S)/ meet(V)。
- 論理
- 静的な共存像を動的な変化へ修正します。
第IV問:幽霊との会話で句表現と逆説を読む
男は存在について考えるための孤独を求めて夜に出歩きます。32はsolitudeです。幽霊が立ち去ろうとすると、男は考え直して助言を求めるため、33はcome to think of itの一部になります。運命や星の影響を話題にする34はstarsです。幽霊が自由意志と偶然を主張しても証拠がないため、男は「あなたの言葉をそのまま信じるのか」と問い、35はtake your wordです。
幽霊はたまたま男の寿命を知っていると言うので36はhappen、男はその予言が運命論になると反論し、37はpresidesです。最後に幽霊が自身の矛盾を認める軽い結びがafter allとなり、38はaです。幽霊は自由意志を支持した直後に未来を固定的に予言し、自分の説明を壊します。選択肢は文法に合うだけでなく、この逆説と話者の態度を完成させる必要があります。
第V問:多様性と統一、機会拡大を8語にする
第V問は、多様性を差異や分断だけと見る批判に対し、共通の文脈を作って個人差を生かし、教育の機会を広げ得ると反論します。高等教育で多様性を進めても、従来優位だった層が実際に大きな不利益を受けたわけではなく、大学が受入総数を増やした事例が根拠です。
it can unite communities and broaden educational opportunity.
全文の意味:多様性に否定的な見方もあるが、実際には、多様性は共同体を結び付け、教育機会を広げ得る。
- 語数
- it1 can2 unite3 communities4 and5 broaden6 educational7 opportunity8。
- 文型1
- it(S)/ can unite(V)/ communities(O)。
- 文型2
- can broaden(V)/ educational opportunity(O)。二動詞が並列です。
- 照応
- itは指定書き出し中のdiversityを受けます。
- 条件
- 3語以上の連続転用を避け、統一と機会拡大を言い換えました。
unityだけ、opportunityだけでは本文の半分しか残りません。共同体を弱めるのではなく結び付けること、既存層から機会を奪うのではなく全体の入口を広げることを並列します。唯一の正答ではないため、別案も語数・論旨・文法・連続語条件で評価してください。
90分の独自時間配分
| 時間 | 作業 | 確認 |
|---|---|---|
| 0〜3分 | 訂正、全体、第V問条件 | 4〜10語と連続語制限 |
| 3〜21分 | 第I問A・B | 品詞、連語、対比 |
| 21〜48分 | 第II問A〜C | 定義、主張、具体例 |
| 48〜62分 | 第III問 | 代名詞と段落の橋 |
| 62〜72分 | 第IV問 | 句表現と逆説 |
| 72〜85分 | 第V問 | 統一・機会、語数、連続語 |
| 85〜90分 | 転記と訂正 | 空欄、記述、綴り |
2024年度で起こりやすい誤答
| 誤り | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| スポーツ史の知識で選ぶ | 空所前後の文法を見ない | 必要品詞と連語を先に固定 |
| ローマ側の偏見を筆者の意見とする | 見解の出所を分けない | 発言動詞の主語を確認 |
| 半球睡眠を海生哺乳類だけに限定 | 鳥の例を落とす | 動物群と睡眠型を表にする |
| 伝記を事実か創作かの二択にする | 形式と事実提示の両立を見ない | 事実・文体・感情を三列化 |
| 作家の偏見と作品価値を同一視 | 最後の比較例を読まない | 人物・発言・作品に分ける |
| 文挿入を同じ単語だけで決める | 代名詞と段落移行を見ない | 前後二文を確認 |
| 幽霊の発言を個別に訳す | 会話全体の矛盾を見ない | 主張と予言を対比 |
| 要約へ本文を長く写す | 3語連続条件を忘れる | 中心関係を別語で再構成 |
7日間の復習計画
当日:訂正と根拠
訂正箇所を反映し、38問すべてに短い根拠を書きます。
翌日:三長文を比較
半球睡眠、伝記、日記文学を主張・例・限定の三列でまとめます。
3日後:文挿入
各空所に必要な代名詞、人物、時代、具体例を先に予測します。
4日後:句表現
think of it、take your word、happen to、preside overを別場面で使います。
5日後:要約三案
多様性の論旨を6語、8語、10語で作り、統一と機会を確認します。
7日後:90分再演習
誤答分類、迷った時間、要約条件違反が減ったか比較します。
第V問の独自10点セルフ採点
| 観点 | 2点 | 1点 | 0点 |
|---|---|---|---|
| 論旨 | 統一と機会を残す | 片方のみ | 具体例のみ |
| 接続 | 指定冒頭から自然 | 軽い不自然さ | 文が不成立 |
| 語数 | 4〜10語 | 再確認が必要 | 範囲外 |
| 言い換え | 3語連続なし | 本文依存が強い | 条件違反 |
| 文法 | 単複・並列・語法が自然 | 意味は通る | 意味を妨げる |
早稲田文学部2024年度英語のFAQ
この記事の記号解答は大学公式ですか。
いいえ。大学公式の公表期間が終了しているため、問題本文と選択肢を照合した独自解答です。
公式問題に訂正はありますか。
第II問Cの設問23に書名表記の訂正があります。2024年12月更新のPDFを使ってください。
第V問は何語で書きますか。
指定冒頭に続けて4〜10語です。問題ページから3語以上を連続して使わない条件もあります。
独自8語解答は唯一の正解ですか。
唯一の正解ではありません。統一と機会拡大を残し、条件を満たす一例です。
長文全文の和訳はありますか。
問題本文を転載していません。公式PDFまたは正規問題冊子と、本記事の段落解説・独自例文を照合してください。
本文の主張を、根拠と構造で言い直す
題材知識に頼らず、語法、内容一致、照応、会話機能、要約条件を復習記録へまとめます。
