クジラ構文 no more ~ than の訳し方|差はゼロで両方否定|英文法Q&A

英文法Q&A 構造で解く|難関・比較
クジラ構文 no more ~ than
― 「差はゼロ」で両方を否定する

A is no more B than C is D.=「AがBでないのは、CがDでないのと同じ」。誰もが「違う」と分かる例(C is D)を引き合いに出し、Aも同じだと否定するレトリックです。no more は「差はゼロ」を強調します。

Q. A whale is no more a fish than a horse is. は、どう訳しますか?
A. 「クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ」。これがいわゆるクジラ構文です。核は A is no more B than C is (D)=「AがBでないのは、CがDでないのと同じ」。ポイントは、than 以下に「誰が見ても明らかに違う例」(馬は魚ではない)を置き、そのあたりまえの否定を基準にして「Aも同じくBではない」と強く否定する点。no more … than は「than 以下との差はゼロ=同じくらい〜でない」という両否定です。逆に no less … than は「同じくらい〜だ」と両方を肯定します。土台は比較級 + thanno(差がない)を掛けた形で、比較の基本の延長にあります。

1. 結論 ― no more は両否定、no less は両肯定

判断基準

A is no more B than C is D=「AがBでないのは、CがDでないのと同じ」(両否定)。A is no less B than C is D=「AがBなのは、CがDなのと同じ」(両肯定)。than 以下は誰もが分かる例を置く。

A whale is no more a fish than a horse is.(クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じ)

2. 2つの型

意味 訳し方
no more ~ than 両方とも否定 〜でないのは…でないのと同じ
no less ~ than 両方とも肯定 …に劣らず〜だ
not more ~ than 程度の差(別物) …ほど〜ではない

3. 例文で確認

EX 1|no more ~ than(両否定)

He is no more a genius than I am.

彼が天才でないのは、私が天才でないのと同じだ(=彼は天才なんかではない)。

than I am(私は天才でない)という自明の否定を基準に、「彼も同じ」と強く否定します。

EX 2|no less ~ than(両肯定)

She is no less clever than her sister.

彼女は姉に劣らず賢い(=姉と同じく賢い)。

no less … than両方を肯定。「姉が賢い」のと同じ程度に「彼女も賢い」と持ち上げます。

EX 3|than 以下は自明の例

A computer can no more think than a rock can.

コンピュータが考えられないのは、石が考えられないのと同じだ。

than a rock can(石は考えない)という誰もが認める例を出し、「コンピュータも同じ」と否定を納得させます。

4. つまずきやすい形

(1) no more ~ than は「両方とも否定」

than 以下も否定的に訳します。no more a fish than a horse is=「馬が魚でないのと同じく、魚ではない」。両方を否定するのが要です。

(2) no less ~ than は「両方とも肯定」

反対に no less … than両方を肯定。「…に劣らず〜だ」。no more(両否定)と意味が逆なので混同に注意します。

(3) not more ~ than とは別物

not more … than は「…ほど〜ではない」という程度の差He is not more diligent than she.=彼は彼女ほど勤勉でない)。no more(差ゼロの両否定)とは別です。

(4) than 以下は省略されがち

than a horse is のように、than 以下はbe動詞や助動詞だけで終わることが多い(自明だから)。a fish の繰り返しは省略されます。

5. 原理とのつながり

クジラ構文は、丸暗記する特殊表現ではありません。芯にあるのは「no + 比較級 は『差はゼロ』を強調する」という一点です。ふつうの more … than は「than 以下より程度が上」を表しますが、そこに no(=まったく差がない)を掛けると、「than 以下とぴったり同じレベル」に固定されます(比較の基本)。だから no more B than C は「BかどうかについてAとCは同レベル」――そこに「明らかにBでないC」を置けば、Aも自動的に「Bでない」と決まる。これが両否定の正体です(no と not)。no less なら「下に差ゼロ=同じく高い」で両肯定になる。つまりクジラ構文は、比較級 + than の骨組みに「差ゼロの no」を掛け、than 以下に自明の例を置く――この3点の組み合わせにすぎません。仕組みを分解すれば、難関の英文も落ち着いて読めます。暗記でなく「差はゼロ」の発想で捉える――それが土台です。

6. 次に読む

クジラ構文を、「差はゼロ」から

no more ~ than は「比較級+than に差ゼロの no を掛けた」形。仕組みを分解すれば難関英文も読めます。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。比較の体系から難関・東大の英文を読み解く力を、指導します。全国どこからでも受講できます。

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