比較級の強調(much / far / even / still / a lot)|very が使えない理由|英文法Q&A
― 「ずっと」は very ではなく much 系で
much taller(ずっと背が高い)/even better(さらに良い)。比較級を「ずっと・はるかに」と強めるとき、very は使えません。差の大きさを測る副詞=much / far / even / still / a lot が担当します。
Q. 「ずっと背が高い」を very taller と言えないのはなぜ? 比較級はどう強めますか?
A. very が強めるのは原級(元の形)だからです。very tall(とても高い)は言えても、×very taller は不可。比較級は「差(どれだけ多いか)」を表す語なので、強めるには差の大きさを測る副詞――much / far / even / still / a lot / a great deal――を使います。He is much taller than me.(ずっと高い)/far more interesting(はるかに面白い)/This is good, but that is even better.(それはさらに良い)。even / still は「その上さらに・なお一層」の含み。逆に「少し〜だ」と弱めるなら a little / a bit / slightly + 比較級(a little taller)。最上級を強めるときは by far the best/much the best――ただし the very best のように、最上級には very が付けられます。「very=原級/much系=比較級/by far=最上級」と、強調語は強める対象で決まるのです。
1. 結論 ― 強める対象で語が決まる
原級を強める=very(very tall)。比較級を強める=much / far / even / still / a lot(much taller)。最上級を強める=by far the / much the(+the very best は可)。弱めるのは a little / a bit + 比較級。
2. 強調語の対応
| 強める対象 | 強調語 | 例 |
|---|---|---|
| 原級 | very | very tall |
| 比較級 | much / far / even / still / a lot | much taller |
| 最上級 | by far the / much the / the very | by far the best |
3. 例文で確認
This bag is much cheaper than that one.
このかばんは、あれよりずっと安い。
cheaper(比較級)を much で強める。「ずっと安い」。×very cheaper とは言えません。
Her second novel is even more exciting.
彼女の2作目は、さらに面白い。
even は「(1作目も良いが)その上さらに」。still more exciting も同じ含みです。
He is by far the best player on the team.
彼はチームで断然いちばんの選手だ。
最上級は by far the/much the で強調。「断然」。the very best も可です。
4. つまずきやすい形
(1) very は比較級に付かない
×very taller / ×very more は誤り。比較級は much / far / a lot で。very は原級専用です。
(2) even / still = さらに一層
even / still + 比較級は「その上さらに」。すでに一方が高い前提で、もっと上だと示します(even better)。
(3) 最上級は by far / much the
最上級の「断然」は by far the best/much the best。例外的に the very best と、最上級には very が付きます。
(4) 弱めるなら a little / a bit
「少し〜だ」は a little / a bit / slightly + 比較級(a little taller)。強める much の反対側の目盛りです。
5. 原理とのつながり
なぜ「ずっと高い」が ×very taller ではなく much taller なのか。鍵は、比較級が「差」を表す語だという点です。比較級(taller, more interesting)は、二つを並べて「どれだけ多い(高い・面白い)か」という差の量を示します。だから、その差を強めるには「量を測る副詞」がふさわしい――much(大いに), far(はるかに), a lot(うんと), a great deal(かなり)。これらはもともと「量」を表す言葉です。一方 very は「程度そのもの」を強める語。very tall(高さそのものが強い)には合っても、「差」を測る比較級には掛かりません。だから very は原級、much 系は比較級、と担当が分かれるのです。even / still はさらに一歩進んで、「すでに高い、その上でなお」という含みを差に添えます(This is good, but that is even better.)。そして最上級――こちらは「範囲の中で頂点」を表すので、強調は「他を引き離して」の by far the / much the。ただし最上級は「これ以上ない程度」という程度の極みでもあるため、程度を強める very が例外的に the very best の形で付けます。反対に、差を「小さく」見せたいときは a little / a bit / slightly で弱める。「very=原級(程度)/much 系=比較級(差の量)/by far=最上級(断然)」――強調語は、何を強めているのかから選ぶ。丸暗記ではなく、比較の仕組みから捉える。それが土台です。
6. 次に読む
比較級の強調を、「差の量」から
very か much か――何を強めているかで、語は決まります。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。比較の仕組みを構造から捉える力を、指導します。全国どこからでも受講できます。
