難関大の省略・共通関係|消えた語を補って読む|難関大英語
― 消えた語を補って読む
英語はくり返しになる語を省きます。助動詞・to・接続詞の後ろで何が消えたか。省略を復元して標準形に戻せば、削られた英文も読めます。
難関大の英文は、無駄をそぎ落とした密度の高い文です。その密度の正体は、しばしば省略。助動詞や to の後ろ、接続詞の後ろで、くり返しになる語が消えています。省かれた語を補えないと、削られた文は読めません。無料講座『英文の原理』第26講を土台に、難関大の省略・共通関係を復元する手順を整理します。
1. 原理 ― くり返しは省かれる
並列や比較で、前に出た語とくり返しになる部分は省略される。読むときは、省かれた語を前から補って標準形に戻す。補える語は、たいてい直前の並列の相手にある。
省略された部分は、たいてい前の並列の相手にあります。助動詞や to で文が終わっていたら、後ろの動詞句が省略されている合図。接続詞の直後に主語が無ければ、〈主語+be〉の省略。消えた語を前から補うと、後半が完全な文として読めます。
2. 省略の型
| 型 | 省かれるもの | 例(かっこが省略) |
|---|---|---|
| 助動詞後 | 動詞句 | She can, but he cannot (do it). |
| to の後(代不定詞) | 動詞 | You may leave if you want to (leave). |
| 接続詞後 | 主語+be | When (you are) in doubt, ask. |
| 共通関係 | 複数の動詞に共通の要素 | He designed and (he) built it. |
3. 例文の解析
Some problems can be solved by technology alone; others cannot.
- cannot
- 後ろに be solved by technology alone が省略。助動詞だけ残る
技術だけで解決できる問題もあれば、そうできない問題もある。
助動詞(can/cannot)で文が終わったら、後ろの動詞句を前の並列の相手から補います。
She never intended to deceive anyone, though her critics claimed she did so deliberately.
- did so
- =deceived (them)(前の動詞句を受ける代用)。「そうした(欺いた)」
彼女は誰かを欺くつもりなど全くなかったが、批判者たちは、彼女が意図的にそうした(欺いた)と主張した。
do so は前の動詞句を受ける代用。to だけ残る代不定詞(want to / try to)と同じく、省略・代用は前から中身を補います。
When faced with uncertainty, people tend to fall back on familiar habits.
- When faced
- =When they are faced with uncertainty(主語+be の省略)
不確実性に直面すると、人はなじみのある習慣に頼りがちだ。
When / While / Though / If の直後に過去分詞・形容詞が来たら、〈主語+be〉の省略を補います。
The theory was proposed, tested, and eventually abandoned within a single decade.
- 共通
- 主語 The theory + was が、proposed / tested / abandoned の3つに共通
その理論は、たった10年のうちに、提唱され、検証され、そして最終的に放棄された。
一つの主語+be が3つの過去分詞に共通する並列(第25講)。was が省略されずに共有されています。
4. つまずきやすい形
(1) 助動詞・to で文が終わったら前から補う
I can't, but she can./I'd love to. 助動詞や to で文が終わっていたら、省略された動詞句を前の並列の相手から補います。
(2) 接続詞+形容詞/分詞は〈主語+be〉の省略
If necessary(=if it is necessary)、When asked(=when he was asked)。接続詞の直後に主語+動詞が無ければ、この省略を疑います(分詞構文とも関連)。
(3) 共通関係を見抜く
一度しか書かれていない要素(主語・目的語・助動詞)が、複数の動詞に共通することがあります。He designed and built it. の it は両方の目的語。省略の跡(コンマ・and)を手がかりに復元します。
(4) so / not / do so で内容を受ける
I think so.(そう思う)/If not, …(そうでなければ)/do so(そうする)。so / not / do so は、前の内容や動詞句を受ける代用表現。前から中身を補って読みます。
5. 入試での効き
難関大の和訳では、省略された語を補って訳すことが問われます。助動詞・to で終わる文、do so / so / not の代用、〈主語+be〉の省略を、標準形に戻して訳します。「〜できない」だけでなく「(〜が)〜できない」と、省略された中身を訳に反映させます。
読解では、共通関係(一つの要素が複数の動詞に共通)を見抜けるかが、密度の高い文の理解を左右します。省略を復元して標準形に戻す――この習慣が、削られた英文を正確に読む力になります。実際の年度の英文での現れ方は、大学別の解答解説で確認してください。
6. 確認問題
各文で①どこに何が省略されているか ②補った標準形を言えるようにしてから開いてください。
(1) Some species adapt quickly to environmental change; others, more slowly.
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動詞句 adapt の省略(共通関係)。=others (adapt) more slowly。コンマが省略の跡。「速く適応する種もあれば、よりゆっくり(適応する)種もある」。
環境の変化に速く適応する種もあれば、よりゆっくりと適応する種もある。
(2) She could have objected, but chose not to.
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代不定詞(to の後の省略)。=chose not to (object)。to だけ残して object を省略。「彼女は反対することもできたが、そうしない(反対しない)ことを選んだ」。
彼女は反対することもできたが、そうしないことを選んだ。
(3) Though widely praised at the time, the reform later proved ineffective.
解答・解説を見る
〈主語+be〉の省略。=Though it was widely praised at the time, …。Though の直後に過去分詞。「当時は広く称賛されたが、その改革は後に効果がないと判明した」。
当時は広く称賛されたが、その改革は後に効果がないと判明した。
7. 次に読む
消えた語を補って、標準形で読む
省略は、復元できれば怖くありません。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。助動詞・to・共通関係の省略を見抜き、標準形に戻して正確に読む力を、添削で鍛えます。全国どこからでも受講できます。
