難関大の代名詞・指示語の特定|何を指すかを構造で絞る|難関大英語
― 何を指すかを構造で絞る
it・this・that・such が何を指すか。難関大の下線部説明で頻出です。数・格で候補を絞り、直前の該当内容を構造で特定すれば、印象に頼らず答えられます。
難関大の下線部説明・内容一致では、「下線部の it(this / that / such)は何を指すか」が定番の問いです。ここで「意味が通りそうなもの」を勘で選ぶと外します。指示内容は、まず数・格の一致で候補を絞り、直前の該当する語・節を構造から特定する。無料講座『英文の原理』第35講・第37講を土台に、指示語の特定を手順化します。
1. 原理 ― 指示内容は構造で絞る
代名詞・指示語が何を指すかは、印象ではなく構造から特定する。まず数(単数・複数)と格で候補を絞り、直前の該当する名詞・節・文のうち、文脈に合うものを選ぶ。it は名詞、this/that は前の節・文全体も指せる。
指示語の特定でやることは2段階です。①数・格の一致で候補を機械的に絞る(構造)。②残った候補から、文脈に合うものを選ぶ。いきなり②(意味)から入ると外します。①で候補が1つに絞れることも多い。
2. 特定の手順
- 指示語の数・格を確認する。単数の it なら単数名詞、複数の they なら複数名詞。
- 直前を優先して、該当する候補を探す。指示語は、たいてい直前の内容を指す。
- 候補を指示語の位置に代入して、意味が通るか確かめる。
- this/that/such は、前の節・文全体も候補にする。動詞→名詞の言い換え(assume→this assumption)も手がかり。
3. 例文の解析
The new regulations were designed to protect consumers, but many businesses have found them difficult to comply with.
- them(複数)
- 複数名詞を指す → The new regulations(複数)。consumers も複数だが、「遵守するのが難しい」対象は規制
新しい規制は消費者を守るために作られたが、多くの企業はそれ(規制)を遵守するのが難しいと感じている。
them は複数。候補は regulations / consumers。「遵守する対象」という構造(comply with)から regulations に決まります。
Early researchers assumed that intelligence was fixed at birth. This assumption has since been overturned.
- This assumption
- 前文の that intelligence was fixed at birth(assumed の目的語)を指す。assume→assumption の言い換え
初期の研究者は、知能は生まれつき固定されていると想定した。この想定は、その後くつがえされた。
this + 名詞は、前で述べた内容をその名詞でまとめ直す形。動詞(assumed)→名詞(assumption)の対応が手がかりです。
Reaction times slowed as the participants grew tired, and that is exactly what the model predicted.
- that
- 前の節全体(reaction times slowed as … tired)を指す。「反応時間が遅くなったこと」
参加者が疲れるにつれて反応時間は遅くなり、そしてそれこそが、まさにそのモデルが予測したことだった。
that は前の節・文全体を指せます。名詞1語ではなく、「〜したこと」全体が指示内容です。
Some animals can recognize themselves in a mirror; very few species are capable of such self-awareness.
- such self-awareness
- 前の内容(鏡で自分を認識する)を such でまとめる。「そのような自己認識」
一部の動物は鏡の中の自分を認識できる。そのような自己認識ができる種は、ごくわずかだ。
such + 名詞は「前で述べたような〜」。前の内容を名詞にまとめて受けます。
4. つまずきやすい形
(1) まず数・格で候補を絞る
it(単数)/they/them(複数)は、数の合う名詞だけが候補。意味の前に数の一致で機械的に絞ると、選択肢が減ります。
(2) this/that は前の文全体を指せる
this / that は名詞1語だけでなく、前の節・文全体(直前で述べたこと)を指せます(EX 3)。「それ」が指すのが1語か内容全体かを、構造で見極めます。
(3) 動詞→名詞の言い換えを追う
This assumption / This finding / This shift のように、this + 抽象名詞は、前の動詞・内容を名詞にまとめ直した形。動詞(assume/find/shift)→名詞の対応が特定の鍵です(EX 2)。
(4) 指示内容は下線部に代入して確認
候補を指示語の位置に代入し、意味が通るかを確かめます。下線部説明の答案では、指示内容に開いて(代名詞を具体化して)答えるのが原則です。
5. 入試での効き
難関大の下線部説明では、「下線部の it / this / that の指すものを、本文中の語句を用いて説明せよ」が定番。数・格で候補を絞り、直前の該当内容を構造から特定し、下線部に代入して確認――この手順で、印象に頼らず根拠のある答えが作れます。指示内容は、答案では具体的に開いて示します。
内容一致でも、選択肢が指示内容を正しく取れているかが問われます。this / that が前の文全体を指すのに、名詞1語だと誤読すると、選択肢の正誤を誤ります。実際の年度の英文での現れ方は、大学別の解答解説で確認してください。
6. 確認問題
各文の指示語が①何を指すか ②根拠(数・格・構造)を言えるようにしてから開いてください。
(1) Cities generate enormous amounts of waste, and disposing of it safely has become a major challenge.
解答・解説を見る
it = waste(単数・不可算)。候補は cities(複数)/ waste(単数扱い)/ amounts(複数)。単数の it +「安全に処分する対象」から waste。「それ(廃棄物)を安全に処分すること」。
都市は膨大な量の廃棄物を生み出し、それ(廃棄物)を安全に処分することが大きな課題になっている。
(2) The bridge collapsed only three years after it was built. This raised serious questions about the inspection process.
解答・解説を見る
This = 前の文全体(橋が建設からわずか3年で崩落したこと)。This は名詞1語ではなく、前の出来事全体を指す。「橋が3年で崩落したことは、検査過程に深刻な疑問を投げかけた」。
その橋は建設からわずか3年で崩落した。このことは、検査過程に深刻な疑問を投げかけた。
(3) He argued that the data had been misinterpreted. Few of his colleagues accepted this claim.
解答・解説を見る
this claim = that the data had been misinterpreted(データが誤って解釈されていたという主張)。argue→claim の言い換え。this + 抽象名詞が前の主張をまとめる。
彼は、データが誤って解釈されていたと主張した。彼の同僚でこの主張を受け入れた者は、ほとんどいなかった。
7. 次に読む
指示語を、数・格と構造で特定する
代名詞・指示語の特定は、印象ではなく数・格と構造で決まります。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。下線部説明で、指示内容を根拠をもって特定し、具体化して答える力を、添削で鍛えます。全国どこからでも受講できます。
