第21講 to 不定詞(2)|形容詞用法・副詞用法の判別|英文の原理

英文の原理|第II部 かたまりを見抜く|第21講
to 不定詞(2)
― 形容詞用法・副詞用法の判別

不定詞の3用法は、覚えるものではなく「位置で決める」ものです。名詞の直後なら形容詞、それ以外なら副詞。第8講の原則がそのまま効きます。

第20講で名詞用法を扱いました。この講で残りの2つ――形容詞用法(名詞を説明)と副詞用法(動詞・文・形容詞を説明)――を判別できるようにします。判断は第8講と同じで、置かれている位置を見るだけ。3用法を暗記するのではなく、位置から一瞬で決めます。

1. 原理 ― 位置が用法を決める

原理 3(適用)

不定詞が名詞の直後にあれば形容詞用法(その名詞を説明)。名詞の場所(主語・目的語・補語)にあれば名詞用法。どちらでもなければ副詞用法。

用法 位置
名詞(第20講) 主語・目的語・補語 〜すること I want to go.
形容詞 名詞の直後 〜する(ための)… a book to read
副詞 それ以外 〜するために/して came to help

形容詞用法は、名詞のうしろから「どんな名詞か」を説明します。something to eat(食べるもの)、a way to solve it(解く方法)、the first person to arrive(最初に着いた人)。名詞+to do の並びが目印です。

2. 副詞用法の中身 ― 5つの意味

副詞用法は、意味のグループで押さえます。文脈で決まりますが、目印もあります。

意味 目印・ヒント
目的(〜するために) 最頻出。in order to / so as to で明示も stopped to rest
結果(〜して…になる) 予期しない結末。only to / never to grew up to be …
原因・理由(〜して) 感情の形容詞の後ろ glad to see you
判断の根拠(〜するとは) 判断を表す文の後ろ must be crazy to do that
形容詞の限定(〜するには) easy/hard/difficult + to do hard to believe
easy / hard / difficult / impossibleto do は、主語が不定詞の意味上の目的語になる特殊な形です。This book is hard to read.=「この本は読むのが難しい」(read this book の目的語が主語に)。tough構文 と呼ばれます。

3. 例文の解析

EX 1|形容詞用法

She was the only candidate to answer every question correctly.

She was the only candidate to answer every question correctly.
位置
名詞 the only candidate の直後 → 形容詞用法

彼女は、すべての質問に正しく答えた唯一の候補者だった。

the first/last/only + 名詞 + to do は「〜する最初の/最後の/唯一の…」の頻出型です。

EX 2|副詞用法(目的)

Many students take a gap year to gain work experience.

Many students take a gap year to gain work experience.
位置
SVO が揃った後ろ → 副詞用法(目的)

多くの学生は、就労経験を積むためにギャップイヤーを取る。

EX 3|副詞用法(結果・only to)

They rushed to the station only to find that the train had left.

They rushed to the station only to find that the train had left.
only to
結果「〜したが、結局…」(予期しない結末)

彼らは駅へ急いだが、結局、電車はもう出てしまっていた。

only to do(〜したが結局…)、never to do(そして二度と〜しなかった)は結果の副詞用法。目的と取り違えないよう、only/never が合図です。

EX 4|副詞用法(感情の原因)

We were relieved to hear that everyone had arrived safely.

We were relieved to hear that everyone had arrived safely.
位置
感情の形容詞 relieved の後ろ → 副詞用法(原因「〜して」)

全員が無事に着いたと聞いて、私たちは安心した。

EX 5|tough構文(形容詞の限定)

The instructions were almost impossible to follow.

The instructions were almost impossible to follow [O欠].
tough構文
follow the instructions の目的語が主語に。「その指示は従うのがほぼ不可能だった」

その指示は、従うのがほとんど不可能だった。

follow の後ろに目的語が無い(=主語 The instructions がその目的語)ことが、tough構文の目印です。

EX 6|入試レベル・用法が混在

To understand why the reform failed, one needs to examine the political pressures that shaped it — pressures too complex to summarize in a sentence.

To understand why the reform failed, one needs to examine the political pressures 〔that shaped it〕pressures too complex to summarize in a sentence.
To understand …
文頭・副詞用法(目的)
to examine …
needs の目的語・名詞用法
too complex to summarize
too … to do「〜すぎて…できない」(副詞用法・tough系)

なぜその改革が失敗したのかを理解するには、それを形づくった政治的圧力を検討する必要がある――一文で要約するにはあまりに複雑な圧力を。

1文に不定詞が3つ、用法もバラバラ。それでも位置を見れば、文頭=副詞、動詞の後ろ=名詞、too … to=副詞、と順に決まります。

4. つまずきやすい形

(1) 名詞+to do は、名詞用法ではなく形容詞用法

a chance to win は「勝つこと」ではなく「勝つためのチャンス」。to win が名詞 a chance を説明しています。直前が名詞なら形容詞用法。名詞用法(〜すること)と混同しないこと。

(2) too … to do と enough to do

too A to do(〜すぎて…できない)、A enough to do(…できるほどA)。どちらも副詞用法(程度)。This box is too heavy to lift.(重すぎて持ち上げられない)。

(3) so as to / in order to は目的を明示

目的をはっきりさせたいとき、in order to do / so as to do を使います。否定は in order not to do / so as not to donot の位置に注意します。

(4) tough構文は目的語の欠けが目印

easy/hard/difficult/impossible/dangerousto do で、to do の後ろに目的語が無ければtough構文(主語がその目的語)。He is easy to please.(彼は喜ばせやすい)。please him の目的語 him が主語に。

5. 入試ではこう出る

和訳問題では、不定詞の用法(とくに副詞用法の「目的・結果・原因」)を正しく訳し分けることが問われます。only to(結果)を目的「〜するために」と誤訳すると意味が反転します。位置で用法を決め、副詞用法なら意味のグループで絞るという手順が効きます。

tough構文(hard to please)と too … to は、和訳・整序でよく狙われます。とくに tough構文は、主語が不定詞の意味上の目的語という関係を見抜けるかがポイント。to do の後ろの目的語の欠けが手がかりです(第9講の完全・不完全)。

6. 確認問題

各文の不定詞の①用法(名詞・形容詞・副詞)②副詞なら意味を言えるようにしてから開いてください。

(1) He was the last person to leave the building.

解答・解説を見る

形容詞用法。名詞 the last person の直後で、それを説明。「最後に建物を出た人」。the last … to do の型。

彼は、最後に建物を出た人だった。

(2) She woke up early to catch the first train.

解答・解説を見る

副詞用法(目的)。SV が揃った後ろ。「始発に間に合うために早く起きた」。in order to に言い換え可。

彼女は始発に間に合うように早く起きた。

(3) The new policy is difficult to justify on economic grounds.

解答・解説を見る

副詞用法(tough構文)。justify の後ろに目的語が無く、主語 The new policy がその目的語。「その新政策は経済的な観点から正当化するのが難しい」。

その新しい政策は、経済的な観点から正当化するのが難しい。

(4) He turned on the radio only to hear the bad news.

解答・解説を見る

副詞用法(結果・only to)。「ラジオをつけたが、結局悪い知らせを聞くことになった」。目的ではなく予期しない結末です。

彼はラジオをつけたが、結局、悪い知らせを聞くことになった。

(5) To finish the marathon was her only goal that year.

解答・解説を見る

名詞用法(主語)。文の主語の位置。「マラソンを完走することが、その年の唯一の目標だった」。形式主語にするなら It was her only goal to finish …

マラソンを完走することが、その年の彼女の唯一の目標だった。

7. この講のまとめ

形容詞用法 名詞の直後。「〜する(ための)…」。名詞+to do が目印
副詞用法 目的・結果・原因・判断の根拠・程度(tough系)
結果の合図 only to / never to(予期しない結末)
tough構文 easy/hard + to doで、to doの目的語が主語(目的語の欠けが目印)
決め方 位置で用法を決める(第8講)。暗記ではない

不定詞の3用法は、第20・21講で完成しました。次の第22講では、もう一つの準動詞 -ing を扱い、動名詞・現在分詞・分詞構文の3択を、やはり位置で見分けます。

次の講へ

3用法を、位置で一瞬に決める

不定詞の用法は、暗記ではなく置かれた位置で決まります。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。実際の入試英文で、only to の結果や tough構文まで、構造から正確に読み・訳す力をつけます。

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