所有格 's と of の使い分け|「生きた主体」は 's、「もの」は of|英文法Q&A
― 「生きた主体」は 's、「もの」は of
Tom's bag(トムのかばん)/the leg of the table(テーブルの脚)。「AのB」は2通り。人・動物・時間には 's、無生物(もの)には of が基本です。
Q. 「〜の」は 's? of? どう選びますか?
A. 「Aが所有の主体として、どれだけ生きているか」で選びます。①'s(アポストロフィ+s)――人・動物など、意思や活動を持つもの。Tom's bag / the dog's tail。さらに、時間・距離・金額(today's paper, a day's work, ten dollars' worth)、国・集団(Japan's economy)も、擬人化して 's を使います。②of――無生物(もの)。the leg of the table, the roof of the house, the end of the story。机やドアは所有の主体性が薄いので、of で「BのA部分」と後ろから説明します。複数形の所有は、すでに -s で終わるのでアポストロフィだけを後ろに(the students' room)。不規則複数は 's(children's books)。なお、a / the と所有格は名詞の前で並べられないので、「私の友達の一人」は a friend of mine(二重所有格)で表します。
1. 結論 ― 主体性で 's か of か
's=人・動物・時間・距離・金額・国(生きた/擬人化された主体)。of=無生物(もの)。複数形の所有は s'(the boys' room)、不規則複数は 's(children's)。
2. 使い分け
| 相手 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 人・動物 | 's | the cat's eyes |
| 時間・距離・金額 | 's | today's paper |
| 無生物(もの) | of | the door of the car |
| 複数の所有 | s' | the girls' team |
3. 例文で確認
I read today's newspaper at my sister's desk.
姉の机で、今日の新聞を読んだ。
my sister's desk(人)、today's newspaper(時間)。人も時間も、擬人化して 's を使います。
The title of the book is written on the cover.
本のタイトルは、表紙に書かれている。
the title of the book。本は無生物なので of。×the book's title より of が自然です。
The students' lockers are next to the children's library.
生徒たちのロッカーは、子ども図書館の隣にある。
students'(複数はアポストロフィのみ)、children's(不規則複数は 's)。
4. つまずきやすい形
(1) 人・動物は 's、ものは of
意思や活動を持つ人・動物は 's(the dog's tail)。無生物は of(the tail of the plane)が基本です。
(2) 時間・距離・金額は 's
today's, yesterday's, a week's holiday, ten miles' distance。時間・距離・金額は、ものでも 's をとる慣用があります。
(3) 複数の所有は s'
すでに -s で終わる複数は、アポストロフィだけを後ろに(the boys' room)。不規則複数は 's(women's)。
(4) 's は複数の s と別
dog's(1匹の所有)/dogs(複数)/dogs'(複数の所有)。アポストロフィの有無・位置で意味が変わります。
5. 原理とのつながり
「AのB」を、英語はなぜ2通り('s と of)で表すのか。核にあるのは、「A が、所有の主体としてどれだけ生きているか」という感覚です。's は、もともと「所有・所属の主体」を前に立てる形。だから、意思や活動を持つ人・動物には 's がなじみます(Tom's idea, the dog's tail)。A's B は「A が主役で、その持ち物が B」という語順です。一方、机・ドア・本のような無生物は、自ら何かを「持つ」主体とは考えにくい。そこで of を使い、「B の一部・側面としての A」と後ろから説明します(the leg of the table=テーブルの、その脚)。B of A は「B が主役で、A はその出どころ」という向きです。面白いのは、時間・距離・金額・国が 's をとること。today's paper, Japan's economy, a day's work――これらは本来ものですが、「今日という主体が持つ新聞」「日本という主体の経済」と、いわば擬人化して主役に立てているのです。ここに、's=「生きた主体」という芯が透けて見えます。表記の面では、複数形との交通整理も要ります。すでに -s で終わる複数の所有は、アポストロフィだけ後ろに置いて the students'、不規則複数は children's。そして 's は複数の s とは別物(dog's ≠ dogs)。最後に、a / the と所有格は名詞の前で同居できないため、「私の友達の一人」は a friend of mine と、of を借りて回避します。「生きた(擬人化できる)主体は 's、ものは of。所有の主体性で選ぶ」――意味から捉える。それが土台です。
6. 次に読む
所有格を、「主体性」から
's か of か――A がどれだけ「主体」かで、選べます。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。名詞の仕組みを意味から捉える力を、指導します。全国どこからでも受講できます。
