2026年度 東京大学 英語|模範解答・全大問の独自解説
公式正答を基準に、要約・英作文・和訳の答案設計と採点ポイントまで解説します。
2026年度の東大英語は、120分で要約、英作文、リスニング、文法・和訳、長文読解を処理する総合問題でした。日本英語塾の解説は、単なる答え合わせではなく、次に同型問題が出たときに自力で再現できることを目標にしています。
2026年度の全体講評
| 試験時間 | 120分 |
|---|---|
| 形式 | 記述式・記号選択式の併用 |
| 日本英語塾の難度評価 | やや難。第1問(A)の要約と、第3問(C)の聞き取りで差がつきやすい構成 |
| 得点戦略 | 第1問(A)を完璧にしようとして時間を失わず、第2問・第4問・第5問の記述欄を空白にしない |
東京大学が公式に示した出題意図では、重要概念を論理的にまとめる力、外国語で明確かつ説得的に表現する力、文脈を踏まえて訳す力、文章全体の流れと細部のニュアンスを同時に捉える力が重視されています。つまり、単語知識だけでなく、情報を選び、関係づけ、読み手に渡す力が採点対象です。
第1問|要約・文補充・整序
1(A) 70〜80字の日本語要約
約360語の文章から、フロイトの著作が読者を強く引きつける仕組みをまとめる問題です。具体例を並べるのではなく、「秘密を暴く」と「知りたい欲望を刺激する」という一見逆向きの作用を一文に統合します。
フロイトの著作は、人が本来隠しておきたい心の秘密を暴く一方、それでも真実を知りたいという欲望を過剰に刺激するため、賛否を問わず読者を強く引きつける。(74字)
- 心の秘密を明るみに出すこと
- 本来は知りたくない、隠しておきたい内容であること
- それでも知りたいという欲望を刺激すること
- 賛成・反対の別なく読者を引きつけること
注意:実際の解答用紙で書き出しが指定されている場合は、その文字数を含めた指定字数に合わせて調整してください。上の答案は、論理要素を確認するための独自例です。
1(B) 文補充・語句整序
(ア)(1) d / (2) g / (3) f / (4) a / (5) c
(イ)noticing that two things are unrelated creates a kind of relation
文補充では、単語の意味よりも、指示語、言い換え、対比の向きを先に見ます。整序は noticing that ... を主語、creates を述語と確定すると骨格が見えます。two things に対応して動詞が are、動名詞句全体には単数扱いの creates が続く点も手掛かりです。
第2問|自由英作文・和文英訳
2(A) “What does it mean to be strong?”
60〜80語で「強いとはどういうことか」を英語で述べる問題です。抽象語を別の抽象語へ置き換えるだけでは弱く、定義、具体的な行動、対比の順に書くと安定します。
Strength is the ability to act according to your values even when fear or pressure urges you to do otherwise. A strong person does not pretend to be invulnerable. Instead, they recognize their limits, ask for help when necessary, and remain responsible for their choices. Physical power may be useful, but the courage to admit mistakes and keep learning is a more durable form of strength.
- 1文目:strength を自分の言葉で定義する
- 2〜3文目:強い人が実際に取る行動を示す
- 最終文:physical power と対比し、主張を締める
表現メモ:act according to your values は「自分の価値観に従って行動する」、do otherwise は「そうではない行動をする」、durable はここでは「長く保たれる、持続的な」です。
2(A) 模範英文を1文ずつSVOCで読む
色だけで判断せず、必ずラベルと文型を確認してください。最初に主節の動詞を決め、その後で不定詞・副詞節・並列を内側から整理します。
V 動詞
O 目的語
C 補語
M 修飾語
Strength is the ability to act according to your values even when fear or pressure urges you to do otherwise.
日本語強さとは、恐怖や圧力によって別の行動を促されても、自分の価値観に従って行動できる力である。
- 節の構造
- when fear or pressure urges you to do otherwise は副詞節。節内は fear or pressure (S) / urges (V) / you (O) / to do otherwise (C) のSVOC。
- 動詞
- is は主語と補語を結ぶ連結動詞。urge は「Oに〜するよう促す」の他動詞で、urge O to do を作る。
- 修飾
- to act ... は ability の内容を説明する形容詞的用法の不定詞。according to your values は act を修飾する。
- 読み方
- まず Strength = the ability を取り、to act 以下を「どんな能力か」、even when 以下を「どんな状況でも」と後から足す。
A strong person does not pretend to be invulnerable.
日本語強い人は、傷つかない人間であるかのように装ったりはしない。
- 節の構造
- to be invulnerable の意味上の主語は A strong person。内部では be (V) / invulnerable (C) のSVC。
- 動詞
- pretend はここでは自動詞的に用い、後ろのto不定詞が「何を装うのか」という内容を補う。
- 修飾
- strong は person を前から修飾。not は pretend を否定する。
- 読み方
- does は疑問の「する」ではなく否定を作る助動詞。中心動詞は原形の pretend と判断する。
Instead, they recognize their limits, ask for help when necessary, and remain responsible for their choices.
日本語その代わりに、自分の限界を認め、必要なときには助けを求め、自分の選択に責任を持ち続ける。
- 節の構造
- they (S) / recognize (V) / their limits (O) はSVO。they (S) / ask (V) はSV。they (S) / remain (V) / responsible (C) はSVC。
- 動詞
- recognize は他動詞。ask for は「〜を求める」という動詞+前置詞。remain は連結動詞。
- 修飾
- when necessary は when it is necessary の省略で ask for help を修飾。for their choices は responsible の対象を示す。
- 読み方
- カンマとandを見て、3つの動作が同じtheyにかかると判断する。動詞ごとに文型が変わる点が重要。
Physical power may be useful, but the courage to admit mistakes and keep learning is a more durable form of strength.
日本語身体的な力も役に立つことはあるが、間違いを認めて学び続ける勇気の方が、より長く保たれる強さである。
- 節の構造
- but が2つのSVCを対比する。後半の主語の中心語は courage で、to admit ... and keep ... は主語の一部を説明する。
- 動詞
- be と is は連結動詞。admit は mistakes を取る他動詞。keep は動名詞 learning を後ろに取る。
- 修飾
- physical は power、more durable は form、of strength は form を修飾する。
- 読み方
- butの左右を独立した文として切る。長い後半主語では、中心語 courage と動詞 is を先に結ぶ。
2(B) 和文英訳+空所補充
Indeed, we have grown so weary of seeing the same things repeatedly that anything novel or unusual, through the very strangeness of its appearance, briefly transforms our lives and gives pleasure to our minds.
空所補充:(6) c
so ... that ... で程度と結果をつなぎ、「珍しいものなら何でも」に当たる部分は anything novel or unusual とまとめました。日本語の語順を保存するより、因果の骨格を先に英語で作る方が誤りを減らせます。
2(B) 模範英文を1文ずつ構造で読む
Indeed, we have grown so weary of seeing the same things repeatedly that anything novel or unusual, through the very strangeness of its appearance, briefly transforms our lives and gives pleasure to our minds.
日本語実際、私たちは同じものを繰り返し目にすることにひどく飽きているので、新しく珍しいものは、その見た目の奇妙さによって、しばらく私たちの生活を変え、心を楽しませる。
- 節の構造
- 結果節は anything novel or unusual (S) / transforms (V) / our lives (O) と、同じ主語に続く gives (V) / pleasure (O) / to our minds (M) の並列。
- 動詞
- grow は「〜になる」の連結動詞。see と transform は他動詞。give A to B は「AをBに与える」。
- 修飾
- of seeing ... は weary の原因・対象。novel と unusual は anything を後ろから修飾。through ... と briefly は結果節の動詞を修飾する。
- 読み方
- so weary と that を一組で囲む。that節の中では、anythingを主語、transformsとgivesを並列動詞として取る。
第3問|リスニング
(A) (7) d / (8) c / (9) d / (10) d / (11) b
(B) (12) c / (13) c / (14) e / (15) b / (16) d
(C) (17) b / (18) b / (19) d / (20) b / (21) b
聞き取り中に残すメモ
| パート | 主題 | メモの軸 |
|---|---|---|
| (A) | ドイツの教育制度 | 理念と実態、選抜時期、家庭背景の影響 |
| (B) | 刑務所建築 | 過去の設計思想、現在の問題、改善の方向 |
| (C) | 地衣類をめぐる仮説 | 旧説、新しい証拠、仮説の修正 |
文章を全部書き取ろうとすると、次の情報を落とします。設問先読みで対立している項目を丸で囲み、放送中は「A→B」「原因→結果」「旧→新」のように関係だけを残してください。
第4問|文法・英文和訳
4(A) 誤りのある箇所
(22) b / (23) e / (24) e / (25) a / (26) e
この形式では「不自然に見える表現」を選ぶのではなく、主語と動詞の一致、時制、代名詞の照応、比較の対応、可算・不可算を順番に点検します。語感だけで判断した箇所には、必ず文法上の理由を一言添えて復習しましょう。
4(B) 英文和訳
(ア)資本主義は私たちを、二つの生き方しか思い描けないところまで追い込んだ。人とのつながりを失ったまま機械のように働くか、食べていけるのかという不安を抱えながら、どうにか休む時間を作るかのどちらかである。
(イ)抵抗として休むことは、「一生働き続けなければならない」という考えをほどいていく営みの一部になり得る。それは発想の転換であり、落ち着きをもってゆっくりと続ける実践である。
(ウ)文化全体が、私たちを休ませない方向に連動している。そのため、自分の身体の訴えを本当に聞いて休もうとすると、多くの人は強い罪悪感や恥を覚える。そう感じること自体を、暴力的な仕組みに操られ、欺かれてきた確かな証拠として受け止めよう。
- 二者択一の構造を崩していないか
- rest を単なる「睡眠」ではなく文脈上の「休むこと」としたか
- 比喩的な unwind を「ほどく、解きほぐす」と処理したか
- 最後の命令・呼びかけの調子を日本語に残したか
第5問|小説読解
(A)雇い主の妻が亡くなったとき、じゅうたんに残された尿の染み。
(B)雇い主の妻が病床にあった間は閉じられていた部屋の扉が、彼女の死後は開いている。
(C)女性が「もう結構ですから、新聞を読んでいてください」と言う前に、男性は毛布の端を持ち、マットレスの上へ広げる。
(D)(27) c / (28) c / (29) e / (30) c / (31) b / (32) d / (33) b / (34) a
小説では、一文だけを機械的に訳すと、人物関係や時系列を取り違えます。固有名詞の横に役割を一語で書き、過去完了、現在完了、単純過去が示す前後関係を先に整理してください。(C)のような動作描写は、動作の順序を日本語でも保存することが重要です。
復習は48時間以内に3段階で行う
- 根拠確認:記号式は、正解だけでなく他の選択肢を落とす根拠を一つずつ言う。
- 答案再作成:要約・英作文・和訳を、解説を閉じてもう一度書く。
- 転用練習:英作文から使える構文を3つ抜き出し、別テーマの英文を作る。
公式資料・確認資料
本記事の記号式正答は東京大学公式発表に基づきます。記述式答案、採点観点、難度評価、時間配分は日本英語塾が独自に作成したもので、東京大学による公式解答・公式採点基準ではありません。問題本文・長文・リスニング原稿は掲載していません。
東大英語の記述答案を添削します
要約は「何を削るか」、英作文は「どうすれば安全に伝わるか」、和訳は「どこまで文脈を補うか」を個別に指導します。日本英語塾は全国対応のオンライン英語専門塾です。
