― 3年間で英語の土台を組み立てる
中1から中3までの文法を、バラバラの項目ではなく「英語のしくみ」として一本の道に並べ直した地図です。ここでつまずきを埋めれば、高校英語で崩れません。
中学英語は、暗記する項目の寄せ集めではありません。「英語は語を並べる順番で意味が決まる」という一本の芯があり、be動詞・一般動詞・時制・助動詞・準動詞・接続・関係詞は、その芯の上に順番に積み上がっていきます。この地図は、中1から中3までの学習を、その順番どおりに並べ直したものです。各単元は、高校で学ぶ『英文の原理』へまっすぐつながります。
中学英語をつらぬく1本の芯
日本語は「てにをは」で語の役割を示します。「太郎が花子を見た」と「花子を太郎が見た」は、語順が違っても同じ意味です。英語には「てにをは」がありません。だから置く場所(語順)で役割を示します。Taro saw Hanako. と Hanako saw Taro. は、語順が逆になると意味も逆になります。
中1 ― 英語の骨組みをつくる
中1で組み立てるのは、英文のいちばん基本の骨組み「だれが・どうする・何を」です。
| 単元 | 芯になる考え方 |
|---|---|
| be動詞(am / is / are) | 「A=B」をつくる動詞。主語と結ぶ |
| 一般動詞(play / like / go) | 「する」を表す動詞。be動詞とは混ぜない |
| 疑問文・否定文 | Do / Does / not を「どこに置くか」のルール |
| 3人称単数の s | 主語が he / she / it のとき動詞が変わる |
| 複数形・a / an / the | 数えられる名詞のしるし |
| 代名詞(I / my / me / mine) | 役割ごとに形が変わる |
| 疑問詞(what / who / where / when / how) | 「たずねる文」を文頭からつくる |
| can | 助動詞の位置と、後ろは動詞の原形 |
| 現在進行形(be + ing) | 「今している」を、2語のセットで表す |
| 過去形(一般動詞・be動詞) | 時制の最初の一歩。ed と was / were |
中1でいちばん大事なのは、be動詞の文と一般動詞の文を混ぜないことです。I am play tennis. のような誤りは、この2種類の文の骨組みが頭の中で分かれていないことから起きます。ここを固めると、この先の疑問文・否定文・時制がすべて安定します。
中2 ― 表現の幅を広げる
中2では、骨組みに「時間」「気持ち」「理由」を足していきます。ここから英文が一気に長くなります。
| 単元 | 芯になる考え方 |
|---|---|
| 未来(will / be going to) | これからのことを表す2つの形 |
| 助動詞(must / may / should / have to) | 動詞に「気持ち・判断」を加える |
| 不定詞(to + 動詞の原形) | 動詞を名詞・形容詞・副詞として使う入口 |
| 動名詞(動詞 + ing) | 動詞を「〜すること」という名詞にする |
| 接続詞(when / if / that / because) | 2つの文を1つにつなぐ。高校の関係詞へ続く |
| 比較(比較級・最上級) | than / as の後ろに何を置くか |
| There is / are | 「〜がある」の語順 |
| 第4文型(give O O) | 「人に物を」の並べ方 |
| 第5文型(make O C) | 「O を C にする」。O と C の関係 |
| 受け身(be + 過去分詞) | 「〜される」。動作の受け手を主語にする |
中2の山は不定詞と動名詞です。これは、高校英語で「準動詞」として体系化される考え方の入口。「動詞の形をしているのに、名詞や形容詞や副詞の働きをする」という感覚を、ここで身につけます。接続詞 that も、高校で最も判断を迷わせる語の出発点です。
中3 ― 高校英語へつなぐ
中3では、英文を長く・複雑にする仕組みが出そろいます。ここが高校英語との境目です。
| 単元 | 芯になる考え方 |
|---|---|
| 現在完了(have + 過去分詞) | 過去と今をつなぐ時制。3つの意味 |
| 分詞の後置修飾 | 名詞のうしろから、分詞で説明する |
| 関係代名詞(who / which / that) | 名詞のうしろに「文」をつなげて説明する |
| 間接疑問 | 疑問文が文の一部(名詞)になると語順が戻る |
| 仮定法過去(If I were …) | 「もし〜なら」の、現実と違う仮定 |
| 原形不定詞(make / let / help + 原形) | 使役・知覚の文の形 |
中3の中心は関係代名詞です。「名詞のうしろに文をつなげて、その名詞を説明する」という仕組みは、高校英語の読解でくり返し出てきます。中3の分詞の後置修飾(the boy running there)と関係代名詞(the boy who is running there)は、同じ「名詞をうしろから説明する」働きの、別の形です。ここがつながると、高校の長文がぐっと読みやすくなります。
高校英語(英文の原理)への橋
中学で学ぶ単元は、高校英語で次のように体系化されます。バラバラに覚えたものが、一つの原理でつながります。
| 中学で学ぶこと | 高校(英文の原理)での位置づけ |
|---|---|
| be動詞・一般動詞の区別 | 第1講 述語動詞/第4講 文型 |
| 不定詞・動名詞・分詞 | 第2講 準動詞(3つをまとめて捉える) |
| 接続詞 that | 第11講 that の識別 |
| 関係代名詞 | 第13講 関係代名詞(欠所で見抜く) |
| 第5文型 make O C | 第6講 目的語と補語 |
| 比較 | 第27講 比較(比較対象の復元) |
中学英語を「暗記」で乗り切ると、高校でつながりが見えずに苦しみます。逆に、中学のうちから「これは語順のルールだ」「これは高校のあの話につながる」と意識しておくと、高校英語が地続きに見えてきます。