京大・阪大の長い和訳|構造を答案に残す|難関大英語

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京大・阪大の長い和訳
― 構造を答案に残す

京大・阪大の和訳は、長く複雑な一文を、構造を保ったまま日本語にする問題です。関係詞のかかり先・省略・比較を訳に残せば、語彙が一部曖昧でも部分点が残ります。

京都大学・大阪大学は、伝統的に長く入り組んだ一文の和訳を課してきました。ここで採点者が見るのは、あなたが構造を取れているか。関係詞が何を説明しているか、何が省略されているか、何と何を比べているか――それらを訳文に反映できるかで、点が決まります。無料講座『英文の原理』第36講の方法を、京大・阪大型の和訳に当てて実演します。

1. 原理 ― 構造を残し、日本語を整える

原理 0(答案化)

和訳は、原文の構造(誰が・何を・どうする、どの修飾がどこにかかるか)を訳に反映させたうえで、自然な日本語にする。構造を無視した「雰囲気訳」は、意味が合っていても構造点を落とす。逆に、構造を残せば、語彙が一部分からなくても部分点が残る。

京大・阪大の和訳は、まず構造、それから日本語の順で作ります。主語と述語の対応、関係詞・分詞のかかり先、省略の復元、比較対象――これらを訳に残し、そのうえで自然な日本語に整える。日本語のなめらかさは、構造を残した「後」に磨くものです。

2. 答案の手順

  1. 述語動詞を数え、主節の骨格(S・V・O・C)を確定する。長い主語は核の名詞を見抜く(第5講)。
  2. 修飾のかかり先を決める。関係詞(第13講)・分詞・前置詞句が、どの名詞を説明するか。
  3. 変形を標準形に戻す。省略の復元(第26講)、比較対象の特定(第27講)。
  4. 直訳の骨を作る。この段階は多少ぎこちなくてよい。
  5. 日本語として整える。無生物主語は「〜のために」等に読み替え(第34講)。ただし構造の対応は崩さない。
「意訳」と「構造を無視した訳」は違います。無生物主語を原因に読み替えるのは、構造を踏まえた正しい意訳。関係詞のかかり先を無視して雰囲気で訳すのは、構造点を落とす誤り。構造の対応を保ったまま日本語を自然にするのが、京大・阪大で評価される訳です。

3. 答案づくりの実演

英文(和訳用の例)

What makes a language difficult to master is not the number of its words, which any dictionary can list, but the countless unwritten conventions that native speakers follow without ever being able to state them.

手順1:骨格

〔What makes a language difficult to master〕 is not A but B.

主節は第2文型。What …(名詞節・主語)=isnot A but B第25講)。

手順2:A・B と修飾のかかり先

A = the number of its words, 〔which any dictionary can list〕,
B = the countless unwritten conventions 〔that native speakers follow [O欠] without ever being able to state them〕

which … は非制限(挿入・第15講)で the number of its words を補足。that native speakers follow は目的格関係詞(follow の目的語が欠所)で conventions を説明。

手順3:変形を戻す

What makes a language difficult to master は無生物主語+第5文型(tough構文入り)。「言語を習得しにくくしているもの」→「言語の習得を難しくしているのは」と読み替え可(第34講)。

手順4-5:答案

言語の習得を難しくしているのは、どんな辞書でも列挙できる語の数ではなく、母語話者が、それを口に出して説明することは決してできないままに従っている、無数の書かれざる慣習である。
残した構造
not A but B(〜ではなく〜)/非制限の挿入(which)/目的格関係詞(that)のかかり先/without -ing

言語の習得を難しくしているのは、どんな辞書でも列挙できる語の数ではなく、母語話者がそれを口に出して説明することは決してできないままに従っている、無数の書かれざる慣習である。

構造(not A but B・2つの関係詞・without -ing)を訳にすべて残し、無生物主語を読み替えて日本語を整えました。conventions の語義が曖昧でも、この骨格が取れていれば大半の配点を確保できます。

4. つまずきやすい形

(1) 関係詞のかかり先を訳で示す

関係詞節が「どの名詞を説明するか」を、訳文の語順で示します。上の例で whichwords ではなく a language にかけて訳すと、意味も採点も崩れます。非制限は「…、それは〜」と処理します。

(2) 省略・比較は補って訳す

than / as の後ろの省略、共通関係の省略は補って訳します(第26・27講)。「上司がするより」ではなく「上司が稼ぐより」。省略を復元した訳が、構造を取れている証拠になります。

(3) 無生物主語は読み替えるが、対応は保つ

「〜が言語を難しくする」→「〜が言語の習得を難しくしているのは」。読み替えても、原文の主語・動詞・目的語の対応は訳に反映されています。これが正しい意訳です(第34講)。

(4) 長い主語で述語を見失わない

京大・阪大の一文は主語が長大になりがちです。What …The fact that … がどこまで主語かを見切り、核の名詞に述語を対応させます(第5講)。主語の切れ目を誤ると、文全体が崩れます。

5. 採点の観点

京大・阪大の和訳は、多くの場合構造のポイントごとに配点されています。主節の骨格、関係詞のかかり先、省略の復元、比較の対象、無生物主語の処理――それぞれが得点源。一つの語彙を間違えても、構造が取れていれば他のポイントで得点できるのが、構造重視の答案の強みです。

逆に、全体の意味は合っていても、関係詞のかかり先を無視したり省略を補わなかったりすると、そのポイントの配点を落とします。「なんとなく意味が通る訳」より、構造の対応が見える訳のほうが、実は点が伸びます。実際の年度の和訳でこの手順がどう効くかは、京大・阪大の解答解説で確認してください。

6. 確認問題

次の各文を、①骨格 ②修飾のかかり先 ③変形の復元を確認したうえで和訳してから開いてください。

(1) The ease with which we now access information has done little to improve the quality of the judgments we make.

解答例・解説を見る

骨格:The ease … has done little to improve the quality …with which we now access information は〈前置詞+関係代名詞〉で The ease を説明(第14講)。(that) we make は目的格関係詞で judgments を説明。無生物主語。
答案:私たちが今や情報にアクセスできる容易さは、私たちが下す判断の質を向上させることにはほとんど役立っていない。

私たちが今や情報に容易にアクセスできることは、私たちが下す判断の質の向上には、ほとんど役立っていない。

(2) Not until a technology becomes invisible, woven into the fabric of daily life, do we begin to grasp how thoroughly it has changed us.

解答例・解説を見る

骨格:we begin to grasp 〔how thoroughly it has changed us〕Not until … の倒置(第30講)を戻す。woven into … は挿入された過去分詞句(第23・32講)。how thoroughly は間接疑問。
答案:ある技術が目に見えなくなり、日常生活の織物に織り込まれて初めて、私たちはそれがどれほど徹底的に自分たちを変えてきたかを把握し始める。

ある技術が目に見えなくなり、日常生活の織物に織り込まれて初めて、私たちはそれが自分たちをどれほど徹底的に変えてきたかを把握し始める。

(3) The problem is not that machines have become more like us, but that we have quietly begun to expect less of ourselves than we once did.

解答例・解説を見る

骨格:The problem is not that … but that …(2つの that 節が補語・第31講)。than we once did は比較(did = expected の代動詞・第26講)。
答案:問題は、機械がより私たちに似てきたことではなく、私たち自身が、かつて自分に期待していたよりも少なくしか自分に期待しなくなってきた、ということだ。

問題は、機械がより私たちに似てきたことではなく、私たち自身が、かつて自分に期待していたよりも自分に期待しなくなってきた、ということである。

7. 次に読む

京大・阪大の和訳を、構造から答案に

和訳は、構造を訳に残せば、語彙が曖昧でも部分点が残ります。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。京大・阪大型の長い和訳を、構造から答案に仕上げる訓練を、添削で徹底します。全国どこからでも受講できます。

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