身体部位・単位の the|catch him by the arm はなぜ his でない?|英文法Q&A
― catch him by the arm はなぜ his でない?
He caught me by the arm.(腕をつかんだ)。my arm ではなく the arm。身体部位を「つかむ・打つ・見る」構文や、by the hour(時間ぎめ)などの単位では、所有格の代わりに the を使います。芯は「the=もう特定できる1つ」です。
Q. catch him by the arm は、なぜ his arm でなく the arm ですか?
A. これは「動詞 + 人 + 前置詞 + the + 身体部位」という構文です。動作の対象である「人」が目的語ですでに示されているので、その人の腕・頭・目は文脈から特定済み――だから his を使うまでもなく the で足ります。He took me by the hand.(手を取った)/She patted him on the shoulder.(肩をたたいた)/Look me in the eye.(目を見て)。前置詞は動作で変わり、つかむ系は by/打つ・触れる系は on/のぞき込む系は in。もう一つ、単位の the もあります。by the hour(時間ぎめで)、by the dozen(ダース単位で)。どちらも the が「その決まった1つ・その単位」を指す点で共通で、冠詞 a / an / theの考え方そのものです。
1. 結論 ― 人が示されれば部位・単位は the
身体部位は動詞 + 人 + 前置詞 + the + 部位(by / on / in)。人が目的語で示され、部位は特定済みなので the。単位は by the hour / dozen / pound。the=その決まった1つ。
2. 前置詞と the
| 動作 | 前置詞 | 例 |
|---|---|---|
| つかむ・引く | by | take him by the hand |
| 打つ・触れる | on | hit him on the head |
| のぞき込む | in | look her in the eye |
| 単位 | by the ~ | by the hour / dozen |
3. 例文で確認
The mother took her child by the hand.
母親は子どもの手を取った。
take 人 by the hand。人(her child)が目的語なので、手は the hand。× took her child's hand より自然な構文です。
He gently patted the boy on the shoulder.
彼は少年の肩をやさしくたたいた。
pat 人 on the shoulder。表面に触れる動作は on。hit / kiss / tap なども同じ型です。
At this shop, eggs are sold by the dozen.
この店では、卵はダース単位で売られている。
by the dozen=「ダース単位で」。by the hour(時間ぎめ)、by the kilo(キロ単位)も同じ単位の the です。
4. つまずきやすい形
(1) 人を目的語、部位は the
動詞 + 人 + 前置詞 + the + 部位。look me in the eye(× look my eye)。人を主役に立て、部位は the で添えます。
(2) 前置詞は動作で選ぶ
つかむ・引くは by、打つ・触れるは on、のぞき込むは in。by(手段・接触点)の感覚とも通じます。
(3) 単位は by the + 単位名詞
「〜単位で」は by the hour / day / dozen / pound / kilo。paid by the hour(時給制)などでよく使います。
(4) 主語の部位には所有格
この構文が使えるのは他者の部位に働きかけるとき。自分の動作でふつうに部位を言うなら所有格(I raised my hand.)です。混同しないようにします。
5. 原理とのつながり
身体部位の the も、単位の the も、「the=もう特定できる、その1つ」という冠詞の芯から一貫して説明できます(冠詞 a / an / the)。身体部位の構文では、動作の対象である「人」が目的語ですでに示されている――だから、その人の腕・頭・目は文脈から自動的に特定されます。わざわざ his と所有者を言い直さなくても、the で「(今つかんでいる、その)腕」と分かる。むしろ英語は、「人という全体をまず対象に立て、部位はその一部として the で軽く添える」という捉え方をします(人を主役にする発想)。単位の by the hour も同じで、「(1時間という)決まった単位ごと」――その単位が基準として特定されているから the。つまり、一見バラバラな用法が、「特定できるものには the」という一つの原則に収まります。冠詞は「名詞に付く飾り」ではなく、「その名詞が特定できるか(the)/新出・任意の1つか(a)/数えない広がりか(無冠詞)」を示す情報の標識(可算・不可算とも地続き)。標識として冠詞を読む――それが、こうした慣用まで見通す土台です。
6. 次に読む
the を、「特定の標識」として
身体部位も単位も「the=特定できるその1つ」で一貫します。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。冠詞を情報の標識として読み解く力を、指導します。全国どこからでも受講できます。
