第17講 疑問詞節と間接疑問|語順が戻る理由|英文の原理
― 語順が戻る理由
疑問文が文の一部(名詞)になると、疑問文の語順が「ふつうの語順」に戻ります。なぜ戻るのかが分かると、間接疑問で迷わなくなります。
第16講の what と同じく、疑問詞(who / what / which / when / where / why / how)も名詞節を作ります。これを間接疑問と呼びます。ここでのポイントは一つ――疑問文が名詞のかたまりになると、疑問文特有の語順(倒置)が消え、〈主語+動詞〉の順に戻る。その理由を、これまでの原理と結びつけて整理します。
1. 原理 ― 名詞節になると語順が戻る
疑問詞が導く節が名詞の働き(主語・目的語・補語・前置詞の後ろ)をするとき、それは間接疑問。疑問文の倒置(do/does や be の前倒し)は消え、〈疑問詞+主語+動詞〉の語順になる。
直接の疑問文と、それが文に埋め込まれた間接疑問を比べます。
| 直接疑問(倒置あり) | 間接疑問(語順が戻る) |
|---|---|
| Where does she live? | I don't know where she lives. |
| What is the problem? | Tell me what the problem is. |
| When did they leave? | I wonder when they left. |
直接疑問では does / is / did が主語の前に出ます。しかし間接疑問では、その節は名詞のかたまりとして文に組み込まれるため、疑問文の倒置が不要になり、where she lives のように〈疑問詞+主語+動詞〉に戻ります。do/does/did も消えます。
2. 完全・不完全で疑問代名詞と疑問副詞を分ける
疑問詞も、関係詞と同じく完全・不完全で2種類に分かれます(第9講)。
| 種類 | 語 | 後ろ | 兼ねる役割 |
|---|---|---|---|
| 疑問代名詞 | who / what / which | 不完全 | 節内の S・O・C |
| 疑問副詞 | when / where / why / how | 完全 | 副詞(時・場所・理由・方法) |
where she put the keys … S・O揃う(完全)→ 疑問副詞
3. 例文の解析
The report does not explain why the costs increased so sharply.
- 後ろ
- the costs increased so sharply =完全 → 疑問副詞 why
- 働き
- 名詞節・explain の目的語
その報告書は、なぜ費用がこれほど急激に増えたのかを説明していない。
Who will lead the project has not yet been decided.
- 後ろ
- 主語が欠ける → 疑問代名詞 who
- 働き
- 名詞節・主語
誰がそのプロジェクトを率いるかは、まだ決まっていない。
I asked her how she had solved the problem so quickly.
- 直接疑問なら
- How did she solve …?(倒置)
- 間接疑問
- how she had solved …(〈疑問詞+主語+動詞〉に戻る・did消える)
私は彼女に、どうやってその問題をそんなに速く解いたのかを尋ねた。
Everything depends on how the market reacts to the news.
- on の後ろ
- 間接疑問(名詞節)=前置詞の目的語
すべては、市場がそのニュースにどう反応するかにかかっている。
Whether the treatment works remains uncertain.
- whether
- 「〜かどうか」の名詞節を作る。後ろは完全
- if との違い
- 主語や前置詞の後ろでは whether のみ(if 不可)
その治療が効くかどうかは、いまだ不確かなままだ。
whether / if も名詞節を作る仲間です。「〜かどうか」。主語・補語・前置詞の後ろでは whether を使います。
How a society treats those who cannot contribute economically reveals what it truly values.
- How節
- 完全(a society treats those)→ 疑問副詞・名詞節・主語
- who節
- 主語欠 → 関係代名詞(those を説明)
- what節
- 目的語欠 → 名詞節・reveals の目的語
経済的に貢献できない人々を社会がどう扱うかは、その社会が本当に何を大切にしているかを明らかにする。
間接疑問(How)が主語、関係代名詞(who)、名詞節(what)が同居。骨格は How … reveals what …。それぞれ後ろの完全・不完全で役割が決まります。
4. つまずきやすい形
(1) 間接疑問では do/does/did を使わない
I don't know where does he live. は誤り。正しくは where he lives。間接疑問は疑問文ではなく名詞のかたまりなので、疑問文を作る do/does/did は不要です。これは最頻出の誤りです。
(2) 語順は〈疑問詞+主語+動詞〉
Tell me what is your name. は不自然。Tell me what your name is. が正しい。be 動詞も主語の後ろに戻します。
(3) 疑問詞が主語のときは語順そのまま
who / what / which が節の主語を兼ねるとき(EX 2)は、もともと〈疑問詞=主語〉なので語順は変わりません。I wonder who broke it.(who が主語)。主語を尋ねる疑問文は、直接でも間接でも語順が同じです。
(4) if は主語・前置詞の後ろでは使えない
「〜かどうか」の if は動詞の目的語には使えますが(I don't know if he came)、主語・補語・前置詞の後ろでは whether を使います。whether or not の形も if では作れません。
5. 入試ではこう出る
整序英作文・文法問題で、間接疑問の語順(do/does/did を入れない、〈疑問詞+S+V〉)は定番の出題です。日本語では「どこに住んでいるのかを知らない」と疑問の形が残るため、つい where does he live としてしまう。名詞のかたまりだから語順は平叙文、と構造で押さえます。
読解では、間接疑問が長い主語(EX 2・EX 6)になっている文が頻出します。How / Why / Whether … 動詞 で始まる文を見たら、その節全体が主語で、後ろに主節の動詞が来ると予測できます。第16講の What … is 〜 と同じ読みの型です。
6. 確認問題
各文の間接疑問について、①疑問代名詞か疑問副詞か(後ろの完全・不完全)②語順が正しく戻っているかを確認してから開いてください。
(1) Could you tell me where the nearest station is?
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疑問副詞 where(後ろ完全)。語順は where the nearest station is(〈疑問詞+主語+動詞〉)。where is the nearest station としないこと。
いちばん近い駅がどこにあるか、教えていただけますか。
(2) What caused the failure is still under investigation.
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疑問代名詞 what(後ろ不完全・主語欠)。[S欠] caused the failure。名詞節が主語で、主節の動詞は is。「何が故障を引き起こしたか」。
何が故障を引き起こしたのかは、いまも調査中である。
(3) I'm not sure whether the results are reliable.
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whether(〜かどうか・後ろ完全)。the results are reliable は完全。whether 節が sure の内容を表します。ここは if も可ですが、主語位置なら whether のみ。
その結果が信頼できるかどうか、私には確信がない。
(4) No one could explain how the two systems differed.
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疑問副詞 how(後ろ完全)。the two systems differed は完全(differ は自動詞)。語順は戻っており、did は入りません。
その2つのシステムがどう違うのか、誰も説明できなかった。
(5) Which candidate the committee will choose depends on the interviews.
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疑問形容詞 which(+candidate)。the committee will choose [O欠] の目的語が which candidate。名詞節が主語で、主節の動詞は depends。語順は〈which candidate+主語+動詞〉。
委員会がどの候補者を選ぶかは、面接しだいである。
7. この講のまとめ
| 間接疑問 | 疑問詞が導く名詞節。疑問文の倒置が消え〈疑問詞+S+V〉に戻る |
|---|---|
| do/does/did | 間接疑問では使わない(名詞のかたまりだから) |
| 疑問代名詞 | who/what/which。後ろ不完全(S・O・Cを兼ねる) |
| 疑問副詞 | when/where/why/how。後ろ完全 |
| whether/if | 「〜かどうか」。主語・前置詞の後ろは whether のみ |
第16・17講で名詞節(what・間接疑問)を扱いました。次の第18講では、副詞節を作る従属接続詞の全体像を整理し、名詞節・形容詞節・副詞節の3種類が出そろいます。
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間接疑問の語順を、構造で押さえる
「疑問の意味なのに平叙文の語順」という切り替えは、構造で理解すると定着します。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。実際の入試英文・英作文で、間接疑問を正確に読み・書ける力をつけます。
