仮定法の基本|時制を1つずらして現実からの距離を表す|英文法Q&A
― 時制を1つずらして「現実からの距離」を表す
仮定法は、「実際はそうでない」ことを述べる形です。ポイントは時制を1つ過去にずらすこと。現在の非現実は過去形で、過去の非現実は過去完了で表す。この「ズレ=距離」が仮定法の核です。
Q. 仮定法とは? 「もし〜なら」の if と何が違いますか?
A. あり得る条件は直説法(If it rains, I'll stay home.=現在形)。実際はそうでない仮定は仮定法で、時制を1つ過去にずらします。①仮定法過去=現在の事実に反する仮定(If I were rich, I would travel.=今は金持ちでない)。②仮定法過去完了=過去の事実に反する仮定(If I had studied, I would have passed.=実際は勉強せず落ちた)。時制のズレが「現実との距離」を表す――無料講座『英文の原理』第30講で整理します。
1. 結論 ― 時制を過去へずらす=非現実
あり得る条件は直説法(現在形)。実際はそうでない仮定は、時制を1つ過去へずらす。仮定法過去(If + 過去形, S would 原形)=現在の非現実。仮定法過去完了(If + had 過去分詞, S would have 過去分詞)=過去の非現実。
If I had more time, I would learn the piano.(現在の非現実=仮定法過去)
If I had had time, I would have learned it.(過去の非現実=仮定法過去完了)
2. 3つの型
| 種類 | if 節 | 主節 |
|---|---|---|
| 直説法(あり得る) | If + 現在形 | will + 原形 |
| 仮定法過去(現在の非現実) | If + 過去形 / were | would/could/might + 原形 |
| 仮定法過去完了(過去の非現実) | If + had 過去分詞 | would/could/might have + 過去分詞 |
3. 例文で確認
If I had a car, I would drive you home.
もし車があれば、家まで送るのに。(=今、車がない)
if 節を過去形(had)、主節を would + 原形 に。今の事実に反することを表します。
If I had left earlier, I would have caught the train.
もっと早く出ていれば、電車に間に合ったのに。(=実際は乗り遅れた)
if 節を had + 過去分詞、主節を would have + 過去分詞 に。過去の事実に反する仮定です。
If I were you, I would accept the offer.
私があなたなら、その申し出を受けるよ。
仮定法では、主語が単数でも be 動詞は were を使うのが正式。If I were you は助言の定番です。
4. つまずきやすい形
(1) あり得る条件は直説法(過去形にしない)
実際に起こりうる条件は現在形。If it is sunny tomorrow, we will go out.(○)。ここを過去形にすると「非現実」の意味に変わってしまいます。
(2) 現在の非現実は過去形、過去の非現実は過去完了
「今〜なら」は仮定法過去、「あのとき〜だったら」は仮定法過去完了。指す時と、使う時制が1つずれる点に注意します。
(3) If I were(was ではなく were)
仮定法の be は、主語が I / he / she でも were が正式(会話では was も)。If he were here …。
(4) I wish / as if も仮定法
「〜ならいいのに」は I wish + 仮定法(I wish I were taller.)。「まるで〜のように」は as if + 仮定法。同じ「時制のズレ」で非現実を示します。
5. 原理とのつながり
仮定法の本質は、「時制のズレで、現実からの距離を示す」ことです。時制はもともと「いつのことか」を表しますが、仮定法では本来の時より1つ過去にずらすことで、「これは実際のことではない(現実から離れている)」という合図にします。だから現在の非現実は過去形、過去の非現実は過去完了になる――時を1つ後ろへ動かすのです。この発想は、時制の一致で「基準点が動くと時制もずれる」のと同じ、時制を距離・視点で捉える考え方です(第30講)。難関大の仮定法(if 省略の倒置など)はこちら。
6. 次に読む
仮定法を、時制の距離から
仮定法は、時制を1つずらして「現実からの距離」を示す形です。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。仮定法を暗記でなく距離の感覚から捉え、応用まで扱う力を、指導します。全国どこからでも受講できます。
