受動態はいつ使うか|動作主より受け手を主語にしたいとき|英文法Q&A

英文法Q&A 構造で解く|動詞・態
受動態はいつ使うか
― 「動作主より受け手」を主語にしたいとき

受動態(be + 過去分詞)は、いつも能動態を機械的にひっくり返すものではありません。動作主が不明・重要でない、または受け手に焦点を当てたいとき――そのときに受動態を選びます。

Q. 受動態(be + 過去分詞)は、どんなときに使いますか?
A. 受動態を選ぶ理由は、主に3つ――①動作主(誰がしたか)が不明・重要でない・言うまでもないとき。②受け手(〜される側)に焦点を当てたいとき。③文の主題を主語に保ちたいとき。by ~(〜によって)は、動作主が重要なときだけ付けます。無料講座『英文の原理』第23講で整理します。

1. 結論 ― 受け手を主語にしたいとき

判断基準

受動態は、動作主より受け手を主語に立てたいときに使う。動作主が不明・自明・重要でないなら、受動態にして by ~ を省く。文の焦点を「〜される側」に置くのが、受動態の役割。

Someone stole my bike.(能動=誰かが盗んだ)
My bike was stolen.(受動=自転車が盗まれた。誰がは不明・重要でない)

「誰が盗んだか」が分からない・重要でないとき、受け手(自転車)を主語にして受動態にします。by someone はふつう省きます。

2. 受動態を選ぶ3つの理由

理由
動作主が不明・重要でない・自明 English is spoken here.(誰が話すかは自明)
受け手に焦点を当てる The bridge was built in 1900.(橋が主題)
主題を主語に保つ(話の流れ) He worked hard and was finally rewarded.
学術・報道・説明文で受動態が多いのは、「誰が」より「何が起きたか・何がなされたか」を中立的に述べたいから。The experiment was conducted … The results were analyzed …。動作主(研究者)は自明なので省かれます。

3. 例文で確認

EX 1|動作主が自明(by 省略)

This temple was built about 400 years ago.

この寺は、約400年前に建てられた。

「誰が建てたか」は重要でない(自明)ので、受け手(寺)を主語にして受動態。by ~ は不要です。

EX 2|動作主が重要(by を付ける)

Hamlet was written by Shakespeare.

『ハムレット』はシェイクスピアによって書かれた。

誰が書いたか(シェイクスピア)が重要なので、by Shakespeare を付けます。動作主が情報として大切なときだけ by を残します。

EX 3|主題を主語に保つ

She submitted the report, and it was approved the next day.

彼女は報告書を提出し、それは翌日承認された。

後半の主題は it(=the report)。話の流れを保つため、受け手を主語にして受動態にしています。能動(someone approved it)より自然です。

4. つまずきやすい形

(1) by ~ は必要なときだけ

受動態にしたら必ず by を付ける、わけではありません。動作主が不明・自明・重要でないなら省くのが自然。むしろ by を省けるのが受動態の利点です。

(2) 自動詞は受動態にできない

目的語を取らない自動詞(happen / occur / arrive / rise)は、受動態にできません。The accident was happened. は誤り(The accident happened.)。受動態は他動詞(目的語を取る動詞)だけ。

(3) 能動を機械的にひっくり返さない

「日本語が受け身だから英語も受動態」とはかぎりません。英語は、受け手に焦点を当てたいかで決めます。不要な受動態は、かえって回りくどくなります。

(4) 群動詞は1かたまりで

laugh at / take care of / look up to のような群動詞を受動態にするときは、前置詞まで一緒に。He was laughed at.at を落とさない)。

5. 原理とのつながり

受動態は be + 過去分詞 で、1つの述語動詞です(第23講)。過去分詞は「〜される」の意味を持ち、be と組んで受動態になります。同じ過去分詞でも、have と組めば完了、名詞の後ろなら後置修飾――直前の語で正体が決まる(第23講)。受動態を「態の選択」として捉えると、能動・受動を目的に応じて使い分けられます。

6. 次に読む

受動態を、目的から選ぶ

受動態は、受け手に焦点を当てたいときに選ぶ「態の選択」です。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。能動・受動を目的に応じて使い分ける力を、構造から身につける指導を、オンラインで行います。全国どこからでも受講できます。

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