難関大の仮定法|時制のずれとif省略を読む|難関大英語
― 時制のずれと if の省略を読む
仮定法は、時制を1つずらして「現実と違う」ことを示す仕組みです。if が省略されて倒置する形、wish・as if、混合仮定まで、時制のずれを手がかりに読み解きます。
仮定法が難しく感じるのは、「時制を1つずらす」という仕組みが見えにくいからです。難関大は、if を省略して倒置させ(Had I known …)、wish や as if に埋め込み、時制を混ぜてきます。無料講座『英文の原理』第30講(倒置・if の省略)と中学の仮定法過去を土台に、難関大の仮定法を整理します。
1. 原理 ― 時制を1つずらす
仮定法は、現実とは違うことを述べるために、時制をわざと1つ過去にずらす。現在の反実は過去形(仮定法過去)、過去の反実は過去完了(仮定法過去完了)。if 節と主節の時制の組み合わせが、いつの反実かを決める。
| 種類 | if 節 | 主節 |
|---|---|---|
| 仮定法過去(現在の反実) | If S 過去形(were) | S would / could / might 原形 |
| 仮定法過去完了(過去の反実) | If S had Vpp | S would have Vpp |
| 未来の仮定 | If S were to do / should do | would / 命令など |
時制が1つ過去にずれていたら、仮定法を疑います。「もし〜なら(実際はそうでないが)」という反実の含みを、時制のずれが担っています。
2. 仮定法の型 ― if の省略と埋め込み
Were it not for water, no life could exist.(=If it were not for water …)
Should you have any questions, please ask.(=If you should have …)
3. 例文の解析
Had the warning signs been heeded, the disaster might well have been averted.
- Had + 主語
- if の省略(=If the warning signs had been heeded)。過去の反実
- might well have Vpp
- 「〜だったかもしれない(十分あり得た)」
もし警告のサインに注意が払われていたら、その災害は十分に避けられたかもしれない。
Were it not for the constant supply of energy from the sun, the earth would quickly freeze.
- Were it not for
- =If it were not for …「〜がなければ」(現在の反実)。But for / Without でも同義
太陽からのエネルギーの絶え間ない供給がなければ、地球はたちまち凍りつくだろう。
If she had taken that job years ago, she would be a manager by now.
- 混合
- if 節=過去完了(過去の反実)/主節=would 原形(現在の帰結)。「あのとき〜していたら、今ごろ〜だろう」
もし彼女が何年も前にあの仕事を引き受けていたら、今ごろは管理職になっているだろう。
過去の仮定が現在に及ぶ混合仮定。if 節と主節の時制を別々に読むのがポイントです。
He spoke about the plan as if it had already been approved.
- as if + 過去完了
- 「まるで(実際は違うが)すでに承認されたかのように」。主節の時(spoke)より前の反実
彼は、まるでその計画がすでに承認されたかのように話した。
4. つまずきやすい形
(1) Had / Were / Should の文頭は if の省略
Had I known … / Were it not for … / Should you need … は倒置による if の省略(第30講)。標準形(If …)に戻して条件節と読みます。
(2) 時制のずれで「いつの反実か」を決める
If S 過去形=現在の反実、If S had Vpp=過去の反実。主節の助動詞(would / would have)と合わせて、いつの話かを確定します。混合仮定(EX 3)に注意。
(3) wish / if only は後ろが仮定法
I wish I were … / I wish I had done …(〜ならいいのに/〜だったらよかったのに)。wish の後ろは仮定法で、現実と違う願望を表します。
(4) if を使わない仮定
Without / But for …(〜がなければ)、Otherwise(さもなければ)、A wise person would …(賢明な人なら〜だろう=主語に仮定が隠れる)。if 節が無くても、主節の would / could が仮定法の合図です。
5. 入試での効き
難関大の和訳では、仮定法を反実(実際はそうでない)のニュアンスを込めて訳すことが問われます。would have Vpp を「〜しただろう」と過去の事実のように訳すと誤り。「(実際はしなかったが)〜しただろうに」と反実を出します。if の省略・倒置(Had / Were / Should)は、標準形に戻してから訳します。
文法・整序問題では、if 節と主節の時制の組み合わせ、were to / should、Were it not for が定番です。時制のずれで反実を表すという原理から、組み合わせを組み立てられます。実際の年度の英文での現れ方は、大学別の解答解説で確認してください。
6. 確認問題
各文の仮定法について、①いつの反実か ②if を補った(標準形の)文を言えるようにしてから開いてください。
(1) Were the government to raise taxes now, the fragile recovery might collapse.
解答・解説を見る
未来の仮定(if省略の倒置)。=If the government were to raise taxes now, …。were to do は「(仮に)〜するとすれば」(実現性の低い未来)。「今、政府が増税するようなことがあれば、脆弱な回復が崩れかねない」。
仮に今、政府が増税するようなことがあれば、脆弱な景気回復が崩れかねない。
(2) But for the timely intervention of a passer-by, the outcome could have been tragic.
解答・解説を見る
過去の反実(if を使わない仮定)。But for …=「〜がなければ」=If it had not been for …。「通りがかりの人のタイムリーな介入がなければ、結果は悲劇的になっていたかもしれない」。could have Vpp が仮定法の合図。
通りがかりの人のタイムリーな介入がなければ、結果は悲劇的なものになっていたかもしれない。
(3) If humans had evolved to see ultraviolet light, our sense of color would be entirely different.
解答・解説を見る
混合仮定。if 節=過去完了(過去の反実「もし〜に進化していたら」)/主節=would be(現在の帰結「今の色覚は〜だろう」)。「もし人間が紫外線を見るように進化していたら、私たちの色覚はまったく違うものになっているだろう」。
もし人間が紫外線を見るように進化していたら、私たちの色覚はまったく異なるものになっているだろう。
7. 次に読む
仮定法を、時制のずれから読む
仮定法は「時制を1つずらして反実を示す」仕組みです。日本英語塾は担任制のオンライン英語専門塾です。if の省略・混合仮定・as if まで、時制のずれを手がかりに構造から読む力を、添削で鍛えます。全国どこからでも受講できます。
